小笠原おがさわら諸島しょとう返還へんかん50ねん 自然しぜん保護ほご交通こうつう手段しゅだん改善かいぜん課題かだい

2018年06月26日 04時43分

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東京とうきょう小笠原おがさわら諸島しょとうがアメリカから日本にっぽん返還へんかんされて、26にちで50ねんになります。世界せかい自然しぜん遺産いさん登録とうろくされた貴重きちょう自然しぜん保護ほごしていく一方いっぽうで、島民とうみんらしをまもるため、本土ほんどとのふね片道かたみち24時間じかんかかる交通こうつう手段しゅだんをいかに改善かいぜんするかが課題かだいとなっています。

東京とうきょう本土ほんどからみなみにおよそ1000キロはなれた小笠原おがさわら諸島しょとうは、一般いっぱん住民じゅうみんらす父島ちちじま母島ははじまのほか、太平洋たいへいよう戦争せんそう激戦げきせんとなった硫黄島いおうとうなど大小だいしょう30あまりの島々しまじまからなります。

戦後せんご、アメリカに統治とうちされたあと、昭和しょうわ43ねんがつ26にち日本にっぽん返還へんかんされてから26にちでちょうど50ねんむかえます。

年前ねんまえ平成へいせい23ねん世界せかいでも貴重きちょう固有こゆう動植物どうしょくぶつ生息せいそくしていることが評価ひょうかされ、世界せかい自然しぜん遺産いさん登録とうろくされたことなどから、観光客かんこうきゃく急増きゅうぞうし、ここすうねん年間ねんかんおよそ3万人まんにんおとずれています。

しかし、しま本土ほんどする交通こうつう手段しゅだんしゅうに1便びん程度ていど運航うんこうされている定期船ていきせんだけで、片道かたみち24時間じかんかかります。

このため、小笠原村おがさわらむら交通こうつう利便性りべんせいたかめるだけでなく、救急医療きゅうきゅういりょうなどのめん島民とうみんらしをまもるため、航空路こうくうろ開設かいせつ要望ようぼうしていますが、飛行場ひこうじょう建設けんせつしま環境かんきょう影響えいきょうあたえることも懸念けねんされ、ひとらしと自然しぜん保護ほごをいかに両立りょうりつさせるかが課題かだいとなっています。

地元じもとでは航空路こうくうろ開設かいせつのぞこえ

小笠原おがさわら諸島しょとう本土ほんどむす航空路こうくうろ開設かいせつは、しま返還へんかん以来いらい長年ながねん地元じもとひとたちの「悲願ひがん」ともわれてきました。

交通こうつう利便性りべんせいたかめ、しま振興しんこうにつなげようというだけでなく、とく医療いりょうめん島民とうみん不安ふあん解消かいしょうしたいというのがおおきな理由りゆうです。

一般いっぱん住民じゅうみんらす父島ちちじま母島ははじま診療所しんりょうじょでは、医療いりょうスタッフが十分じゅうぶんではないため、本格的ほんかくてき手術しゅじゅつおこなうことができず、緊急きんきゅう手術しゅじゅつ必要ひつよう重症じゅうしょう患者かんじゃなどがいる場合ばあいは、自衛隊じえいたい飛行艇ひこうてい救急きゅうきゅう搬送はんそうおこなっています。

しかし、それ以外いがい患者かんじゃ妊婦にんぷは、本土ほんど病院びょういんなどで診療しんりょうけるさいしゅうに1便びん程度ていど運航うんこうされる定期船ていきせん利用りようせざるをえないうえ、片道かたみちだけで24時間じかんかかるためおおきな負担ふたんとなります。

父島ちちじままれそだち、返還へんかんされた昭和しょうわ43ねんからふたたしまらしている85さい浅沼あさぬまけんさんは、がんの手術しゅじゅつけたあと、ねん数回すうかいほど東京とうきょう 渋谷区しぶやく病院びょういんとおっています。

戦時中せんじちゅう本土ほんど疎開そかいし、終戦後しゅうせんご長年ながねんにわたってしまもどれなかった浅沼あさぬまさんは、これからもれたふるさとでらしつづけたいとかんがえています。

ただ、高齢こうれいになり、体調面たいちょうめん不安ふあんかかえるいま安心あんしんしてしまらしていけるように、航空路こうくうろの1にちはや開設かいせつつよねがっています。

浅沼あさぬまさんは「航空路こうくうろ絶対ぜったい必要ひつようです。としとしなので、このしまでしかきられません。このままずっとここでらしていきたいとおもっています」とはなしていました。

飛行場ひこうじょう建設けんせつには課題かだい

東京都とうきょうと小笠原村おがさわらむら現在げんざい定員ていいん50にんほどのプロペラぷろぺら離着陸りちゃくりくできる1200メートルの滑走路かっそうろそなえた飛行場ひこうじょうを、父島ちちじま洲崎すざき地区ちく建設けんせつするあんじく検討けんとうすすめています。

この地区ちく世界せかい自然しぜん遺産いさんとして保護ほごする対象たいしょう区域くいきからはずれているものの、計画けいかく実現じつげんけては環境かんきょうへの影響えいきょうをどこまでおさえられるかが課題かだいになっています。

いまあんのまま飛行場ひこうじょう建設けんせつする場合ばあい周辺しゅうへんやま一部いちぶけず必要ひつようがあるほか、滑走路かっそうろ海上かいじょう最大さいだいで700メートルほどかたちになり、景観けいかんそこねるおそれがあるためです。

そこで、東京都とうきょうと今後こんご開発かいはつ見込みこまれるより小型こがたプロペラぷろぺら運航うんこうさせることで、滑走路かっそうろながさをみじかおさえられないか検討けんとうはじめています。

しかし、機体きたい開発かいはつには時間じかんがかかることが予想よそうされるほか、小型化こがたかによって定員ていいんすくなくなれば、採算性さいさんせい確保かくほがより困難こんなんになる可能性かのうせいがあり、いま段階だんかい航空路こうくうろ開設かいせつのめどはっていません。