「うちのが…」″ゲーム依存いぞん″の実態じったい

2018ねん05がつ15にち 1805ふん NewsWebEasy
仮名がなレベル

まえにいる少年しょうねん普通ふつう高校生こうこうせいえました。しかし、自宅じたく部屋へや案内あんないされるとかべにはおおきなあながあちこちにひらいていました。少年しょうねん家族かぞく言葉ことばです。「暴力ぼうりょくえる日々ひびでした。やさしかったこのがなぜ…」少年しょうねん暴力ぼうりょくてたものはいったいなんだったのでしょうか。(社会部しゃかいぶ記者きしゃ 白河しらかわ真梨奈まりな

ゲームに熱中ねっちゅうする若者わかものたち

東京とうきょう渋谷しぶやの「ハチはちこうまえ」。有名ゆうめいわせスポットですがここにあるものに熱中ねっちゅうする若者わかものたちの姿すがたがありました。

「1にち10時間じかんぐらいやってしまいます。テスト期間中きかんちゅうにもやってしまって、成績せいせきがりました」(18さい男子だんし学生がくせい

限定げんていのキャラがどうしてもしくて、1にちに20まんえん課金かきんしました」(男子だんし学生がくせい

かれらがのめりんでいたのはスマートフォンのオンラインゲーム。ネットじょうで、仲間なかまたちと「対戦たいせんがたのロールプレーイングゲーム」などをたのしむといいます。

“ゲームがないときている実感じっかんがない”

なぜ若者わかものはこうしたオンラインゲームにはまるのか。

関東地方かんとうちほう高校こうこうねん男子だんし生徒せいと取材しゅざいおうじてくれました。

この生徒せいと中学ちゅうがく時代じだいは1にち16時間じかん、オンラインゲームに没頭ぼっとう学校がっこうにはほとんどかよわなかったといいます。

生徒せいとがゲームをはじめたのは小学生しょうがくせいとき、いじめにい、不登校ふとうこうになったことがきっかけでした。

最初さいしょはただのひまつぶしだったゲームにいつしかのめりむようになった理由りゆうは、意外いがいな“仲間なかま”の存在そんざいだったとけました。

「オンラインゲーム」では、インターネットじょう見知みしらぬひとたちと対戦たいせんします。こうした“仲間なかま”とは、名前なまえかおらない関係かんけいですが、現実げんじつ社会しゃかい学校がっこうとおっていない生徒せいとにとりゲームでつながるこうした“仲間なかま”の存在そんざいおおきかったといいます。

現実げんじつではできなかった友達ともだちがゲームのなかではできた。自分じぶんいやなことからげるためにゲームをしていた」生徒せいとはこうけました。

やさしかったこのがなぜ…

生徒せいとがゲームにのめりむなか、その影響えいきょう家族かぞくにもおよぶようになりました。

何度なんどもゲームをやめるように注意ちゅういする家族かぞく生徒せいとものげつけたり、暴力ぼうりょくをふるったりするようになったのです。

案内あんないされた自宅じたく部屋へやかべひらいたいくつものあなはこうした暴力ぼうりょく爪痕つめあとでした。生徒せいと家族かぞく当時とうじをこうかえりました。

かみってひきずりまわされ、救急車きゅうきゅうしゃはこばれたこともあります。都合つごうわるいことがあると突然とつぜんあばす。やさしかったこのがなぜ…とおもいながら暴力ぼうりょくえる日々ひびでした」

からだにも影響えいきょうはい年齢ねんれい52さい

また、ゲームへの依存いぞん生徒せいとからだにも深刻しんこく影響えいきょうあたえていました。3年前ねんまえ病院びょういんにいったところ、おもいがけない診断しんだんけました。

はい年齢ねんれい52さい

部屋へやきこもり、何年なんねんもゲームけの毎日まいにちごしたことがらずらず少年しょうねんからだ衰弱すいじゃくさせていたのです。

ゲーム依存いぞん実態じったい 初調査はつちょうさ

神奈川県かながわけん横須賀市よこすかしにある国立こくりつ病院びょういん機構きこう久里浜くりはま医療いりょうセンター。全国ぜんこく数少かずすくない依存症いぞんしょう専門せんもん治療ちりょうする機関きかんですが、ここが去年きょねん、120にん患者かんじゃ対象たいしょうにゲーム依存いぞん実態じったいはじめて調査ちょうさしました。

その結果けっかです。

▽「あさきられない」が75%、
▽「欠席けっせき欠勤けっきん」が59%、
▽「食事しょくじをしない」が49%、
▽「成績せいせき仕事しごと能率のうりつ低下ていか」が48%と、
患者かんじゃおおくが日常にちじょう生活せいかつ支障ししょうをきたしていました。

さらに、
▽「ものこわす」が50%、
▽「家族かぞくたいする暴力ぼうりょく」が26%、
▽「家族かぞくのおかねぬすむ」が17%と、
さきほどの少年しょうねんおなじく、ゲーム依存いぞん暴力行為ぼうりょくこういなどにつながるケースもあることがわかりました。

調査ちょうさした樋口ひぐちすすむ院長いんちょうは、ゲーム依存いぞんとは、日常にちじょう生活せいかつ支障ししょうがでるほどゲームにのめり状態じょうたいが1年以上ねんいじょうつづいていることだといいます。

患者かんじゃ大半たいはんが24歳以下さいいか男性だんせいでなかでも自分じぶんをコントロールすることがむずかしいどもたちへのひろがりが心配しんぱいだと指摘してきしました。

どもたちがゲーム依存いぞんになると、生活せいかつみだれだけでなく、身体しんたいこころ健康けんこう家族かぞく関係かんけい崩壊ほうかいにもつながる深刻しんこく問題もんだいだ。こうした実態じったいまえ、ゲーム業界ぎょうかいだけでなく、社会しゃかい全体ぜんたい対策たいさくむことが必要ひつようだ」

世界せかいでも深刻化しんこくか WHOが国際こくさい疾病しっぺい追加ついか

ゲーム依存いぞん世界せかいでも深刻しんこく問題もんだいとなっています。WHO=世界せかい保健ほけん機関きかん来月らいげつ(6がつ)、こうしたゲーム依存いぞんを「ゲーム障害しょうがい」として、あらたな国際こくさいてき疾病しっぺい認定にんていするための改定案かいていあん方針ほうしんです。

これにより、くわしい患者かんじゃかずなどその実態じったいさえ把握はあくされていないゲーム依存いぞんについて、各国かっこく治療ちりょうなどの対策たいさくがどこまですすむかが注目ちゅうもくされています。

一方いっぽうで、この方針ほうしんをめぐってはアメリカなどのゲーム業界ぎょうかいは「ゲームに依存症いぞんしょうじょうはない」などとして、反対はんたい声明せいめいしています。

どうすればせるのか

ゲーム依存いぞんからどうすればせるのか。久里浜くりはま医療いりょうセンターの樋口ひぐち院長いんちょうはいきなりゲームをやめるのがむずかしい場合ばあいは、ゲームをする時間じかん徐々じょじょらすようすすめているといいます。

取材しゅざいおうじてくれた男子だんし生徒せいともこのセンターで2入院にゅういんかえし、ゲームの時間じかん徐々じょじょらすようんだということです。

生徒せいとはこのはる高校こうこう入学にゅうがくしました。笑顔えがおせながら、「高校こうこうあたらしい友達ともだちつくり、勉強べんきょう頑張がんばってみたい」といました。

いまもゲームの誘惑ゆうわくおののいながら日常にちじょう生活せいかつもどそうとしています。

ゲーム依存いぞんくるしむ家族かぞく出会であって

今回こんかい取材しゅざいでは、どものゲーム依存いぞんくるしむ家族かぞくこえ数多かずおおみみにしました。

中学生ちゅうがくせい息子むすこがゲームのやりぎで、40さいになったら失明しつめいすると医者いしゃわれた」(中学生ちゅうがくせい母親ははおや

「ゲームのせいでわが別人べつじんになった。もみいになってくびめられた」(関東地方かんとうちほう女性じょせい

こうした数々かずかず悲痛ひつうこえがあった一方いっぽう根気強こんきづよくあきらめずにゲーム依存いぞんどもとった結果けっか症状しょうじょう回復かいふくしたとはな家族かぞくもいました。

“ゲーム依存いぞん″はその実態じったいさえ十分じゅうぶん把握はあくされていない問題もんだいです。

小中学生しょうちゅうがくせいおおくがスマートフォンを使つかいま、そのリスクに社会しゃかいとして必要ひつようがあるとつよかんじました。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。