自動運転車の開発競争が激しさを増す中、日本の電機メーカーが、今後の世界的な市場の拡大を見込んで、自動運転の事業を強化しています。


このうちパナソニックは、今月10日、横浜市で自社の技術を使った自動運転車を走らせ、報道陣に公開しました。

得意としているのは、デジタルカメラやテレビの画像処理で培ったカメラの技術です。自動運転車には合わせて6つの特殊なカメラが搭載され、周囲の状況を認識します。歩行者が道路に飛び出すと、直ちに検知し、ハンドルとブレーキを自動で操作します。カメラが捉えた情報を瞬時に処理して正確に認識する技術が必要で、技術を高めるために、今年度中に自動運転車を公道で走行させる実証実験を行う計画です。

パナソニックでは、自動車関連の売り上げを4年後の2021年度には、昨年度のおよそ2倍となる2兆5000億円に拡大する目標を掲げていて、自動運転の事業がけん引役になるとしています。パナソニックオートモーティブ開発本部の水山正重本部長は「電機メーカーとして蓄積してきた技術が競争力につながる」と話しています。

一方、三菱電機が手がけるのは、日本版GPS衛星「みちびき」の自動運転車への活用です。「みちびき」は、位置情報の誤差が、車が停止しているときは6センチ、走行中でも12センチで、精度の高さが特徴です。

今月17日、兵庫県赤穂市の事業所で公開した実証実験では、「みちびき」からの情報と3次元地図を組み合わせた位置情報で自動運転車を走行させました。車と障害物との間はわずか25センチでしたが、車は狭いコースをスムーズに走りました。

このメーカーでは、今後、ヨーロッパやアメリカでも実証実験を本格化することにしています。三菱電機自動車機器開発センターの山川智也センター長は「国内だけでなくグローバルにも衛星を活用し、高精度な自動運転技術でリードしていきたい」と話しています。


電機メーカーの事情は

電機メーカー各社が自動運転の分野を強化するのは、収益の柱だったテレビやパソコン、半導体などが競争力を失ったという厳しい現実があります。

メイド・イン・ジャパンの象徴でもあったこうした製品は、かつて世界を席けんし、各メーカーに大きな利益をもたらしました。

しかし、豊富な資金力や安い人件費で大量生産を行う韓国や中国メーカーの追随を受けて、次第に競争力を失い、日本の電機メーカーは新たな事業の柱を育てることが急務となっています。

そこで目をつけたのが、これまでに培った技術を生かすことができ、世界的に市場の拡大が期待できる、自動運転車の分野でした。

ただ、この分野もすでに海外メーカーとの開発競争が激しさを増しているだけに、供給先である自動車メーカーとの関係を強化できるかや、技術開発をいち早く進めて、いわゆる先行者利益を手にできるかが問われています。


業種の垣根こえて 世界で競争激化

自動運転車や電気自動車の登場で、電機メーカーをはじめ、さまざまな企業がこの分野に参入し、業種の垣根をこえた競争が激しくなっています。

先陣を切ったのはアメリカの大手IT企業です。
グーグルは2009年に自動運転車の開発に乗り出しました。早い段階から公道で走行する実験を重ね、どんな条件の下でも完全に自動走行できる「完全自動運転」の開発を一気に目指すとしています。
一方、アップルも去年12月、自動運転の技術開発を進めていることを明らかにしました。

また、最近では先月、イギリスの電機メーカー、ダイソンが、2020年までに電気自動車の発売を目指していることを明らかにしました。

AI=人工知能など技術の飛躍的な進化や、欧米での自動車の環境規制の強化を背景に、自動運転車や電気自動車の市場の拡大が見込まれる中、業種の垣根をこえた競争は世界的にますます激しくなりそうです。

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