地中海の島国マルタで、いわゆる「パナマ文書」の報道に携わってきた記者が殺害された事件を受けて、現地では報道関係者が「脅迫には屈しない」とする声明を発表するなど、残虐な行為への反発が広がっています。


地中海の島国マルタでは16日、政治家の腐敗を厳しく追及してきた地元の記者、ダフネ・カルアナガリチアさん(53)の運転する車が爆発し、カルアナガリチアさんは死亡しました。

カルアナガリチアさんは、世界各国の首脳などの資金隠しや課税逃れを暴いた「パナマ文書」の調査報道で、マルタのムスカット首相の妻が資金を隠していた疑惑なども報じていました。

現地の報道関係者たちは、徹底した捜査と情報の公開を求めていますが、政府や警察は、これまでのところ車に仕掛けられた爆弾が遠隔操作で爆破されたという見方を示した以外は、捜査の状況を明らかにしていません。

こうした中、首都バレッタでは19日、現地の報道関係者数百人が集まり、血に見立てた赤い塗料で塗りつぶした新聞や、「われわれは屈しない」と書かれたプラカードなどを掲げ、残虐な脅迫には屈しないと訴えました。

報道関係者を代表して、地元紙の編集者が「法や制度を監視する報道の使命を果たそうとするわれわれを止めることはできない。脅迫には屈しない」とする共同声明を読みあげると、集まった人から鳴りやまない拍手が沸き起こったということで、現地では残虐な行為への反発が広がっています。