フィギュアスケート男子シングルの日本のエース、羽生結弦選手が22日、カナダで今シーズン初戦に臨み、前半のショートプログラムでみずからが持つ世界最高得点を更新する112.72を出して、トップに立ちました。


来年2月のピョンチャンオリンピックで2大会連続の金メダルを目指す羽生選手は、今シーズンの初戦としてカナダのモントリオールで開かれている国際大会「オータムクラシック」に出場し、22日、前半のショートプログラムに臨みました。

羽生選手のショートプログラムは、おととし世界最高得点をマークしたときと同じショパンのピアノの曲に合わせた演技ですが、今回は大会前に右ひざに痛みが出たことから、冒頭の4回転ジャンプを昨シーズン世界で初めて成功させたループからサルコーに難度を落とした構成で臨みました。

それでもその4回転サルコーを完璧に決めると、続く得意のトリプルアクセルも成功させ、この2つのジャンプは出来栄えで最高の評価を受けました。

さらにショートプログラムで初めて演技後半に入れた4回転ジャンプとなる4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプもきれいに決めました。

また、スピンやステップも最高レベルの評価を受け、主に表現力を評価する演技構成点でも高得点を出しました。

羽生選手は、112.72をマークし、おととし12月のグランプリファイナルでみずからが出した110.95を1.77更新する世界最高得点でトップに立ちました。

後半のフリーは、23日に行われます。


羽生「非常に納得できる内容」

羽生結弦選手は、世界最高得点を更新したあと報道陣の取材に対して、「ミスなく、いい演技ができ、質としても非常に納得できる内容だった。構成を落としているから当然と言われるかもしれないが本番ですべてを出し切るというのは非常に難しいことなので、そういう意味で成長できたのかなと思う」と振り返りました。

そして、「アイスショー以外で、ショートプログラムで演技後半に初めて入れた4回転ジャンプを成功してよかった。自分の中ではこれまでと全然違うレベルのものをやっていると思うしいい演技ができればおのずと点数が出ると自信を持っていた。初戦だし、これをベースにこれから戦っていかないといけない」と世界最高得点にも表情を変えず冷静に話していました。

さらに会場をあとにする際、テレビのインタビューに応じ、「エネルギッシュにやることとバランスが大事。この構成で、この点数を出したことで初戦からいいイメージが持てた」と話していました。


オーサーコーチ「自分のステージをコントロール」

ブライアン・オーサーコーチは、「オリンピックシーズンということで、始動を少し早め、厳しいトレーニングを夏場にやったのがよかった。少しひざに痛みを感じたようだったけど出場をやめるほどのものではなかった。羽生選手は観客たちを巻き込んでオーケストラを指揮しているようだった。それくらい自分のステージをすばらしくコントロールしていた」と話していました。


世界最高得点を更新した要因は

羽生結弦選手が今回、ショートプログラムの世界最高得点を更新した要因は主に3つあげられます。

1つは、演技後半に初めて4回転ジャンプを跳んだことです。

体力的に厳しくなるため演技の後半は、ジャンプの基礎点が1.1倍となりますが、羽生選手は、今回初めての4回転ジャンプとなる4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプを入れました。

前半に跳んでいたときに比べて基礎点を1.46あげることができました。

また、ステップで高い評価を得たことも要因です。

おととし世界最高得点をマークしたときはレベル3でしたが、今回は最高のレベル4でした。

さらに、ショートプログラムの曲をおととし世界最高得点をマークしたショパンのピアノ曲に戻したことも記録更新につながりました。

羽生選手は、「表現したいことがすごく明確なプログラムなのですごくやっていて心地良いし、滑り込んでこられている」となじみのある曲で演技する強みを話しています。

その一方、今回は、右ひざに痛みが出たことを考慮して最初の4回転ジャンプを難度の高いループからサルコーに変えて臨んだほか、表現力などを評価する演技構成点では点数をわずかながら上積みできる余地を残していて、今シーズンの最大の目標となるピョンチャンオリンピックに向けてさらに得点を伸ばせる可能性があります。