全国の9割近いクリーニング店が数か月以上にわたって客が引き取りに来ない品物を抱え、中には25年以上も保管し続けているケースもあるなど、長期間の保管を余儀なくされている実態が業界団体の調査でわかりました。


この調査は、クリーニング店の業界団体が初めて行い、全国427の事業者から回答を得ました。

それによりますと、数か月以上にわたって客が引き取りに来ない衣類や布団などの品物を保管している事業者は、全体の87.4%に上りました。

このうち、保管している品物の数は10点から19点という事業者が27.2%で最も多かった一方、200点以上の事業者も2.4%ありました。

また、保管している期間は、最長で3年から5年未満が23.2%と最も多く、25年以上の長期間、保管していると答えた事業者も5.9%に上りました。

業界団体では、客が転居して連絡が取れなくなっても、預かった品物は勝手に処分できず、多くの店が困っているとして、新たにポスターを7500枚作成し、客にできるだけ早い引き取りを呼びかけるほか、国にも対応策の検討を求めていくことにしています。

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の伊澤勝令副会長は「特に個人経営の店では保管場所に困って、部屋を借りたりしなければならなくなる。一定の保管期間をすぎた場合にどういう対応ができるか、行政と詰めていきたい」と話しています。


「なるべく早く引き取りに来てほしい」

東京・新宿区で、創業およそ60年のクリーニング店では、利用者が預けたまま引き取りに来ないシャツやジャケット、コートなどがおよそ100着に上っています。

半年以上、引き取りに来ない場合には電話で連絡していますが、引っ越しなどで連絡がつかないケースも多く、10年以上保管しているものもあるということです。

こうした衣類を保管するためにスペースを確保しなければならないうえに、中には、後払いで引き受け料金が回収できないままになっているものもあると言います。しかし、持ち主の承諾を得ずに処分してしまえば、その後、利用者が引き取りに現れた場合にトラブルになるおそれもあるため、対応に苦慮しています。

クリーニング店の宮田雅道さんは「お客さまの衣類なので、10年前のものといえども返さなければならず、勝手には処分できない。ただ、店が忙しい時期になると、保管スペースに空きがなくなり、支障を来たすので、なるべく早く引き取りに来てほしい」と話していました。


業界団体 処分ためらう事業者多い

業界団体によりますと、クリーニング店に預けた衣類や布団などの所有権は法律上、預けた人にあるため、仮に連絡を取ることができなくなった場合でも、了解を得ずに処分することはできないということです。

また、事業者の中には会員登録などの際に、規約の中に「一定期間をすぎた品物は処分する」と明記し、前もって理解を求めているところもありますが、処分したあとで客が「知らなかった」と言われるなどしてトラブルになることを避けるため、実際には処分をためらう事業者も多いということです。

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