土星探査機「カッシーニ」 燃え尽きて20年間の任務終了

2017年09月15日 20時46分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

土星の輪の鮮明な画像を撮影するなど、数々の成果を上げてきた探査機「カッシーニ」は、日本時間の15日夜、土星に突入して燃え尽き、20年間に及ぶ任務を終えました。

任務を終えたのは、NASA=アメリカ航空宇宙局などが開発した土星探査機「カッシーニ」です。

1997年に打ち上げられたカッシーニは、土星の輪の鮮明な画像を撮影したほか、衛星の1つから吹き出している水蒸気を採取して、衛星の地下深くにエネルギー源があり、微生物が存在する可能性を示すなど、数々の成果を上げてきました。

また、ことし4月からは、初めて、土星の表面と輪の間に入り、合わせて22回の観測で、これまでより格段に近い、土星の上空3000キロ付近から大気が巨大な渦を巻いている様子などを撮影しました。

カッシーニは、宇宙空間でごみとなるのを防ぐため、燃料がなくなる前に、土星の大気圏に突入して燃え尽きることになり、日本時間の午後8時55分ごろ、プロジェクトの関係者が、カリフォルニア州にあるNASAの司令室に集まって見届ける中、カッシーニからの交信が途絶えたことが確認されました。

カッシーニは計画どおり、燃え尽きたものと見られ、20年に及ぶ任務を終えました。

交信が途絶えた直後、カッシーニのプログラムマネージャー、アール・メイズ博士は「関わった皆さんがカッシーニが成し遂げた成果に大きな誇りを持つことを願っています。信じがたいほどすばらしいミッションでした。これでミッションは終わりです」と宣言し、司令室からは拍手がわき起こりました。

カッシーニ これまでと最後

カッシーニは、NASAとヨーロッパ宇宙機関の共同プロジェクトとして、1997年10月、アメリカ南部フロリダ州にあるケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。

地球や木星などの重力を使って加速する「フライバイ」という方法で土星の方向に向かい、2004年に土星を回る軌道に入りました。そして、土星の輪の精細な画像や、土星で地球の大きさを超える巨大な台風が起きている様子、それにジェット気流が北極の上空から見て六角形を描くように循環している様子を初めて撮影しました。

カッシーニは、土星だけでなく数多くの衛星の観測も行い、存在が知られていなかった小さな衛星を複数発見しました。とくに大きな成果とされているのが、土星最大の衛星「タイタン」と、氷に覆われた衛星「エンケラドス」についての観測です。

このうち、タイタンについては2005年、タイタンの地表にカッシーニから分離した小型の探査機を投入することに成功、液体の状態のメタンの海が広がっていることを確認して、地球以外の天体で初めて液体の存在を明らかにしました。

また、直径およそ500キロメートルの衛星「エンケラドス」では、地下に海が広がっていることを突き止めたうえ、海底にある地表の割れ目からガスが吹き出していることを観測しました。おととし10月に、エンケラドスの周りを通過した際に吹き出ているガスを採取して、成分を分析したところ、水蒸気の中にごくわずかに水素の分子が含まれていることがわかりました。これはエンケラドスの地下にある海の底から熱水が噴き出している証拠と考えられ、太陽の光が届かない中でも、微生物などの生命を育める環境があるのではないかとして、地球外の生命の発見に期待が高まっています。

カッシーニは燃料がなくなるのを前に、ことし4月から初めて土星の輪の内側に入って土星に最も近づいて観測する最後の任務を行ってきました。この任務は、「グランド・フィナーレ」と名付けられ、輪の内側に合わせて22回入って、これまでよりも格段に近い距離から土星の大気や、土星の輪の様子などを撮影してきました。

そして、カッシーニはまだはっきりとしていない、土星の大気の成分を明らかにしようと、燃え尽きる直前まで大気の一部を採取してそのデータを地球に送り、20年に及ぶ任務を終えます。

「土星が間近に見える特等席をありがとう」

カッシーニの科学チームのリーダーで、打ち上げ以前から30年近くにわたって、プロジェクトに関わってきたリンダ・スピルカー博士は、カッシーニの成果について、「以前は、土星の衛星のエンケラドスで水蒸気が活発に吹き上がっていることや、タイタンでは水が豊富で地球のような表面をしていることさえわかっておらず、驚くべき発見だった」と述べています。とくに、「土星の輪を研究してきた者として、輪をこれまでにない解像度で見ることができ、ほとんど手で触れるようですばらしかった」と振り返りました。

そしてカッシーニが燃え尽きて、任務を終えることについては「土星に到着してから13年間に送られてきたすべてのデータを完全に理解するには、おそらく何十年もかかる。お別れは本当に悲しいが、信じがたいほどにすばらしいミッションに関わることができて誇りに感じている。もしカッシーニに何か言うとしたら、『土星が間近に見える特等席をありがとう』と言いたい」と述べました。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。