小田急線火災 消防の要請で警察官が停止ボタン押す

10日、東京・渋谷区の小田急小田原線の沿線にある建物から出火し、火が電車の屋根に燃え移った火事で、現場に駆けつけた警察官が消防隊員から「消火活動のために電車を止めてほしい」と要請され、非常停止ボタンを押したことがわかりました。警視庁や小田急電鉄などが当時の状況をさらに調べています。


10日午後4時ごろ、東京・渋谷区代々木の3階建てのボクシングジムから火が出て建物の一部60平方メートルが焼け、さらに近くで停車した電車に燃え移って車両の屋根およそ15平方メートルが焼けました。電車にはおよそ300人が乗っていましたが線路を歩いて避難し、けが人はいませんでした。

警視庁や東京消防庁は11日火が出た建物の3階を中心に詳しく調べました。

これまでの調べで、火災が発生した時、小田急の司令所に消防から「沿線で火災が起きた」と連絡がありましたが、司令所から乗務員に指示を出す前に現場に駆けつけた警察官が消防隊員から「踏切から消火活動をしたいので電車を止めてほしい」と要請され、非常停止ボタンを押したことが警視庁などへの取材でわかりました。

警視庁や東京消防庁は当時の状況について確認を進めるとともに、午後からは世田谷区の車両基地で屋根が焼けた車両についても詳しく調べました。また、小田急電鉄は乗客の避難誘導などの対応について引き続き調べることにしています。


小田急線火災 対応の経緯

小田急電鉄によりますと、10日午後4時6分、ボクシングジムから火が出ていると、消防に通報がありました。
その3分後、午後4時9分、小田急の運行を指揮する運輸司令所に消防から「沿線で火事が起きているのではないか」と連絡がありました。本厚木発、新宿行きの各駅停車の電車の運転士は、火事の現場にさしかかる手前で煙を確認しましたが、その時点では「火事」という認識はなかったということです。

午後4時11分、現場に駆けつけた警察官が消防隊員から要請され、近くの踏切に設置された非常ボタンを押したため、電車はATS=自動列車停止装置が作動して緊急停止しました。

運転士は電車が停止すると、外に出て踏切の安全を確認しましたが、その際、沿線の建物で火事が起きていることに気づいたということです。

運転士は、車両に燃え移る可能性があり、電車を移動させようと考え、運輸司令所に連絡したということです。午後4時19分、電車は再び動き始めました。

この間、現場付近にいた人たちが撮影した映像では、停止した電車の前から2両目の屋根に火が燃え移って徐々に火の勢いが増す様子が確認できます。

しかし、消防から停止するよう指示があり、123メートル進んだところで再び停止しました。午後4時22分、乗務員はおよそ300人の乗客に対し、避難の誘導を始めました。

屋根に火が燃え移った車両と離れたいちばん後ろの車両から避難するようアナウンスしたあと、いちばん後ろの車両と先頭から乗客を避難させました。

すべての乗客の避難が確認できたのは、最初の緊急停止から30分余りあとの午後4時42分でした。

乗客は線路を歩いて避難し、けがをした人はいませんでした。この火事の影響で、小田急小田原線は新宿と経堂の間の上下線で5時間余りにわたって運転を見合わせ、小田急電鉄によりますとおよそ7万1000人の乗客に影響が出ました。

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