金星の赤道上空で猛烈な風を観測 探査機「あかつき」

2017年08月29日 18時28分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

地球の隣の惑星で、大きさも近い金星の赤道付近の上空では、緯度が高い地域よりも強い猛烈な風が吹き荒れる時期があることが、金星探査機「あかつき」による観測で明らかになりました。金星では、自転の速度をはるかに超える「スーパーローテーション」と呼ばれる風が吹いていることがわかっていて、今回の観測結果は、そのメカニズムの一端を明らかにするものとして注目されます。

金星が、早朝や夕方に明るく輝いて見えるのは、厚さ20キロとも言われる雲が太陽の光を反射するためで、その雲は、自転の速度の数十倍にも及ぶ「スーパーローテーション」と呼ばれる強い風に流されていることがわかっています。

この風について、北海道大学とJAXA=宇宙航空研究開発機構などの研究グループが、金星探査機「あかつき」によって観測したところ、風の強さは緯度によって異なり、赤道付近の高さ45キロから60キロの上空では、高緯度地域よりも強い、秒速90メートルという猛烈な風が吹き荒れる時期があることが明らかになりました。

この赤道付近の「ジェット気流」の存在は、去年7月に、「あかつき」が赤外線カメラを使って撮影した画像から明らかになったもので、これまで一定と考えられてきた「スーパーローテーション」の風の強さが、緯度によって大きく異なることが初めてわかったということです。

観測データの解析を行った北海道大学の堀之内武准教授は「ジェット気流が発生する仕組みがわかれば、金星の大気の謎の解明に大きく近づくはずだ」と話しています。

金星の大気の謎解明に期待

「あかつき」は、金星の周りの大気の謎を解明するため、JAXA=宇宙航空研究開発機構がおよそ150億円かけて開発した日本で初めての金星探査機です。重さはおよそ500キロ、本体は、1辺が1メートルから1.5メートルの箱形で、搭載した5台のカメラと気温や蒸気の分布を調べる装置で観測を行います。

金星は太陽系の惑星で、地球の隣の軌道を回り、誕生した時期や大きさが地球とほぼ同じのため、地球の「双子星」とも呼ばれています。しかし、金星の大気は地球とは大きく異なり、大気の96%以上を占める二酸化炭素の影響で、地表付近の気温が摂氏460度と高温になっているほか、上空には厚さが20キロにも及ぶ硫酸の雲があり、「スーパーローテーション」と呼ばれる猛烈な風が吹き荒れています。

しかし、「スーパーローテーション」などは、どのように起きるかわかっておらず、「あかつき」には、こうした謎の解明が期待されています。

復活遂げた「あかつき」

金星探査機「あかつき」は、7年前の平成22年5月に、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられました。およそ半年間かけて金星に接近し、その年の12月に金星を回る軌道への投入が試みられましたが、メインエンジンが噴射中に壊れ、投入は失敗しました。

「あかつき」はその後、金星とともに太陽の周りを回りながら、再び、金星に近づく5年後を待ちました。そして、おととし12月、金星の上空500キロ付近で残された4基の小型エンジンを20分余り噴射させて、軌道への投入に再挑戦し、成功しました。

日本の探査機が地球以外の惑星を回る軌道に入ったのは、この「あかつき」が初めてでした。また、深刻なトラブルを起こした日本の探査機が復活を遂げたのも、機体を大きく損傷しながら7年前に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」以来でした。「あかつき」は現在も、金星をおよそ10日間で回るだ円軌道を移動しながら、観測を続けています。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。