日本人12人目の宇宙飛行士として、ことし12月に初めて国際宇宙ステーションに向かう金井宣茂さんが24日、東京で記者会見し、「訓練も準備もこれ以上ないほど順調で、自信を感じている」と現在の心境を語りました。


元海上自衛隊の医師で、日本人12人目の宇宙飛行士となる東京都出身の金井宣茂さん(40)は、ことし12月、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で初めて国際宇宙ステーションに向かい、およそ半年間滞在する予定です。

金井さんは現在、日本の実験棟「きぼう」で行う実験の訓練のため一時帰国していて、24日、東京で記者会見を開きました。

その中で、金井さんはおよそ4か月後に迫った宇宙ステーションでの滞在について、「訓練も準備もこれ以上ないほど順調で、しっかりとした仕事ができると、手応えと自信を感じている。残りの4か月は一緒にミッションを行う仲間とのチームワークを高めていきたい」と話しました。

金井さんは宇宙ステーションでは、生物に、宇宙の環境が与える影響を調べる実験や、医薬品の開発のため、たんぱく質の結晶化などを行う予定です。

金井さんは、「私は医師であり、宇宙の厳しい環境から飛行士を守るための研究は、地上での医療にも役立つと考えている。一般の人に還元できる成果を出したい」と意気込みを述べました。

また、国際宇宙ステーションの運用は2024年までとなっていて、今後の日本の宇宙開発の方針が定まっていないことについて、金井さんは、「日本の宇宙開発が伸びていくには、国民の理解が不可欠なので、宇宙飛行士の現場の情熱を伝えたい」と話しました。

金井さんは来月上旬まで日本に滞在したあと、アメリカに向かい、初めての宇宙飛行に向けて訓練を続ける予定です。


国際宇宙ステーションと日本の調査

国際宇宙ステーションは、無重力状態でさまざまな科学実験を行い、産業や生活に役立つ技術開発を進める場などとして運用が続けられていて、日本、アメリカ、ロシア、それに、ヨーロッパの15の国が計画に参加しています。

1998年に建設が始まり、2年後の2000年には、宇宙飛行士の滞在も始まって6年前の2011年、すべての部分ができあがりました。

国際宇宙ステーションの建設や運用のため、日本はこれまでにおよそ9500億円を負担しています。当初、運用は2020年までとされていましたが、アメリカの提案を各国が受け入れ、2024年まで延長することが決まっています。

しかし、それ以降の運用は未定で、来年3月に東京で開かれる「国際宇宙探査フォーラム」で、延長するかどうかも含めて各国が話し合う予定です。

また、そのほかの宇宙探査についても各国が立案を進めていて、アメリカやロシア、それに、ヨーロッパなどが、月や火星の、有人も含めた探査を検討しています。

日本では、JAXA=宇宙航空研究開発機構が、アメリカと共同で日本人宇宙飛行士を月に送る計画を国に提案していて、国は来年3月までに、日本として目指すべき宇宙探査の案をまとめることにしています。


日本人宇宙飛行士と選抜試験

宇宙での幅広い分野の活動や長期の滞在に対応するため、宇宙飛行士には高い能力が求められ、厳しい試験を経て選ばれます。

選抜試験への応募は、大学の自然科学系の学部を卒業していることが条件の1つで、書類選考のうえ、医学的、心理学的な適性検査、さらに、教養試験や面接などで3回の選抜が行われ、およそ半年かけて合格者が決められます。

JAXA=宇宙航空研究開発機構は、前身のNASDA=宇宙開発事業団のころから合わせて5回、宇宙飛行士の選抜試験を行い、11人を選抜してきました。

1985年に最初に選抜されたのは、毛利衛さん、向井千秋さん、土井隆雄さんの3人で、アメリカのスペースシャトルに搭乗し、宇宙での実験を行うために選ばれました。

その後、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」の組み立てや運用に向けて、1992年に若田光一さん、1996年に野口聡一さんが選ばれました。

さらに、1999年には古川聡さん、星出彰彦さん、山崎直子さんの3人が選ばれました。

そして、2009年には、10年ぶりの選抜試験が行われ、過去最高のおよそ1000人の応募者の中から、油井亀美也さん、大西卓哉さん、金井宣茂さんの3人が選ばれました。

近く、金井さんが宇宙ステーションに向かえば、これまでに選抜された11人全員が宇宙飛行を経験します。

しかし、国際宇宙ステーションの運用が決まっているのは2024年までで、日本ではその後の有人宇宙開発の見通しがたっていないことから、新たな選抜試験が実施される予定は今のところありません。

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