最深8000メートル余で魚の撮影に成功 生態系解明に期待

2017年08月24日 17時25分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

海洋研究開発機構とNHKは、これまでで最も深い水深8000メートル余りの深海で、生息する魚を撮影することに成功し、ほとんど知られていない深海の生態系を明らかにすることにつながると注目されています。

深海では魚の細胞の機能が水圧で損なわれてしまうため、理論的には水深8200メートルが生息できる限界だと考えられていて、海洋研究開発機構とNHKはこれを確かめるために、ことし5月、太平洋のマリアナ海溝の水深8178メートルの地点に、4Kカメラを搭載した無人の観測装置を降ろして調査を行いました。

撮影開始直後から、餌の魚にヨコエビという節足動物の仲間が集まり、およそ17時間半後、ゆっくりと泳ぐ魚を1匹撮影することに成功しました。

撮影されたのは、シンカイクサウオという魚の仲間と見られ、体長はおよそ20センチで、全体に白く半透明で、大きな頭とウナギのような細長い尾びれが特徴です。

今回は、水深7500メートル付近でも調査を行っていて、この深さではシンカイクサウオの仲間が多数、泳ぐ姿が写っていました。海洋研究開発機構は、水深8178メートルが生息できる水深の限界に近いため、数が少なかったのではないかとしています。

深海での魚の調査では、3年前にイギリスとアメリカのグループが、水深8145メートルまでに2種類の魚を撮影したほか、ことし4月には、中国のグループが水深8152メートルで魚の撮影に成功したと発表していて、今回はこれまでで最も深い場所の魚の映像になります。

海洋研究開発機構の小栗一将主任技術研究員は「本当にいたという喜びがあった。今後、サンプルを採取するなどして、深海の生態系の理解を深めたい」と話しています。

撮影された魚

今回撮影された魚は、水深6000メートルよりも深い「超深海層」に生息するシンカイクサウオの仲間だとみられています。

イギリスとアメリカの共同研究のグループが3年前に、マリアナ海溝を調査した時に報告していて、正式な学名もまだありません。一般にマリアナスネイルフィッシュと呼ばれています。

体長はおよそ20センチで、体の表面は白いのですがところどころ半透明で、内臓の一部が見えています。頭が大きい一方で、尾びれはウナギのように薄く細長いため、大きなオタマジャクシのような形をしていて、ゆっくりと動くのが特徴です。

撮影された映像には、ゆったりと泳ぎながら、餌となるヨコエビを追いかけるような姿が写っています。今回は高精細な4Kカメラで撮影しているため、体の側面にうっすらとある筋が見えているなど、種類の特定につながる情報が得られたとしています。

撮影に使われた観測装置

今回の撮影に使われたのは、「ランダー」と呼ばれる自動で海底に降りて海面に戻ってくることができる無人の観測装置です。

海洋研究開発機構とNHKが共同開発し、親指の先ほどの面積に800キロ以上の力がかかる超深海層の水圧に耐えられる部品を使って、高精細の4Kカメラを搭載しています。餌のサバと一緒に海に投入し、寄ってきた生き物を撮影します。

海洋研究開発機構の深海調査研究船「かいれい」からマリアナ海溝に投入され、およそ3時間半をかけて水深8178メートルの海底に到達し、1日余りかけて撮影しました。

深海での魚の撮影

太平洋にあるマリアナ海溝は水深1万メートル余りありますが、水深6000メートルより深い「超深海層」と呼ばれる深海は、高い水圧のため生態系の詳しい調査などはほとんど行われてきませんでした。

海洋研究開発機構によりますと、魚は、理論的には高い水圧によって細胞の機能が損なわれてしまうため、水深8200メートルまでしか生息できないとされています。

技術の進展にともなってこの数年、深海の調査が複数のグループによって行われ、2012年には映画監督のジェームズ・キャメロンさんが、潜水艇で水深1万メートル余りの「チャレンジャー海淵」に到達し、海底の様子を撮影しましたがこの深さでは魚は確認されませんでした。

イギリスとアメリカの共同研究グループは、2014年に水深8145メートルまでの海底で、2種類の深海魚を撮影したほか、ことし4月には、中国のグループがさらに深い水深8152メートルで魚の撮影に成功したと発表しています。

今回は中国のグループよりもさらに26メートル深い場所で魚を確認したものの、撮影できたのは1匹と、生息数は非常に少ないとみられ、海洋研究開発機構は生息の限界に近いことを裏付けるもので、深海の生態系を明らかにすることにつながる貴重な映像だとしています。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。