終戦から72年を迎えた15日、およそ310万人の戦没者を慰霊する政府主催の全国戦没者追悼式が東京の日本武道館で行われました。


式典には全国から遺族の代表など、およそ6400人が参列しました。

天皇皇后両陛下が菊の花で飾られた式壇に着かれたあと、安倍総理大臣が「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない。戦後、わが国は一貫して戦争を憎み、平和を重んずる国として、ただひたすらに歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきました。私たちは歴史と謙虚に向き合いながら、どのような時代であっても、この不動の方針を貫いてまいります。争いの温床ともなる貧困の問題をはじめ、さまざまな課題に真摯(しんし)に取り組むことにより、世界の平和と繁栄に貢献してまいります」と式辞を述べました。そして、参列者全員で1分間の黙とうをささげました。

続いて、天皇陛下が「さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことをせつに願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」とお言葉を述べられました。

このあと、遺族を代表して、昭和20年7月に南太平洋のビスマーク諸島で父親を亡くした福岡県豊前市の渡邊一さん(83)が「母は父の戦死が信じられず、帰還した兵隊さんを訪ね回って父の戦友に会い、やっと納得しました。それからの母の苦労と頑張りは筆舌に尽くせません。私たち遺族は戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代にしっかりと伝え、二度と戦争をしない日本と国際社会の建設にまい進することをお誓い申し上げます」と述べました。

式典ではこのあと、参列者が式壇に菊の花を手向けて、戦争で亡くなったおよそ310万人の霊を慰めました。


遺族の高齢化進む

終戦から72年を迎えて遺族の高齢化が進み、参列した遺族の78%は70歳以上となり、戦没者の妻もこれまでで最も少なく6人となりました。

最年長の参列者で、東京・練馬区に住む101歳の芹ヶ野春海さんは、昭和20年6月に沖縄本島で、結婚してまもない夫の博さん(当時31)を亡くしました。芹ヶ野さんは「夫は1度も怒ったことがない優しい人でした。当時のことはあまり思い出せないが、戦争は嫌なものです」と話していました。

また、去年に続き、ことしもすべての都道府県から18歳未満の若い世代、合わせて123人が式典に参列しています。

参列者で最年少となる6歳の宮崎市に住む田邉彩乃さんは、沖縄戦で曽祖父の田邉章さんを亡くしました。彩乃さんは両親と共に曽祖父の遺影を胸に抱いて式典に参列し、「ひいおじいちゃんに会いたかったです」と話していました。

また、彩乃さんの父親で、章さんの孫の揮一朗さん(46)は「遺族が高齢化する中、戦争のことを語り継いでいかないといけないという思いから、娘と一緒に参列することにしました。戦争では多くの命が失われましたが、命がいちばん大切なので、娘たちにはしっかりと命をつないでいってもらいたいと思います」と話していました。

式典では、このあと、参列者が式壇に菊の花を手向けて、戦争で亡くなったおよそ310万人の霊を慰めます。

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