外国人旅行者などでもタクシーを安心して利用できるよう、乗る前に目的地までの運賃を決めるタクシーの実証実験が7日から都内で始まりました。


この実証実験は、国土交通省と都内の4つのタクシー会社が東京23区と武蔵野市、それに三鷹市で4600台のタクシーを使って始めました。
実験は、タクシー会社が導入しているスマートフォンの配車アプリを使って行われ、乗車場所と目的地を入力して表示される金額に納得すれば、配車を申し込みます。
国土交通省などでは、あらかじめ運賃を決めれば渋滞などにあっても運賃が高くなることがないため、タクシーの利用者の掘り起こしにつながることを期待しています。

また、アプリは英語にも対応していて、土地勘のない外国人旅行者でも安心してタクシーを利用できるとしています。

実験に参加する日本交通の川鍋一朗会長は「従来のメーター式では到着直前に値段があがる場合があり、利用者から不満や不安の声があった。事前に運賃が決まることでタクシーが利用しやすくなってほしい」と話していました。

実験はことし10月6日までですが、国土交通省では2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国人旅行者の増加が見込まれることなどから、運賃を事前に決めるタクシーを全国に広げるかどうか検討したいとしています。


利用者のメリットは?

日本のタクシーは、空港から市街地など一部を除いて、メーターで運賃を計算するのが一般的です。

メーターは走った距離と時間に応じて運賃が決まる仕組みで、例えば今回実験が行われる東京23区と武蔵野市・三鷹市では、初乗りの1キロ余りを超えたあとは237メートルごと、時速10キロ以下の低速の場合は、90秒ごとに80円が加算されます。このため、目的地が同じでも渋滞の有無やルートによって、運賃が変わることがあります。

こうしたことから、利用者からはメーターを気にせず乗れるようにしてほしいという声が出ていました。

今回の実験では、スマートフォンの専用アプリに乗車場所と目的地を入力すると、走行距離や所要時間などをもとに算出された運賃が表示されます。

利用者は道路が渋滞した場合でも到着までメーターを気にする必要がなく、土地勘のない人でも安心して目的地に向かうことができるということです。

また、こうした仕組みが広がれば、料金の決済でもより便利になると期待されています。事前にクレジットカードの情報をアプリに登録しておけば、手元にカードがなくても支払いができるタクシー会社もあり、日本語がわからない外国人旅行者でも手軽に決済することができるようになります。


タクシー会社のメリットは?

タクシー会社では、今回の実験のようにアプリを使って配車する人が増えれば、空車や待ち時間が減り、生産性向上にもつながると期待しています。

国土交通省によりますと、タクシー運転手の年間所得は平成27年で310万円となっていて、全産業平均の548万円を40%余り下回っている一方、年間の総労働時間は2328時間とほかの産業の平均を7%上回っています。

労働時間が長いわりに所得が低いのは、ほとんどのタクシー会社が運転手の給料を歩合制にしているためで、勤務する時間が長くても、客を乗せていない時間が多いと給料には反映されません。稼働中のタクシーが実際に客を乗せた「実車率」は、昨年度の全国平均で42.3%となっていて、運転手の待遇改善には実車率をどう上げるかが課題の1つとなっています。

タクシー会社では、今回の実験のようにアプリを使って配車する人が増えれば、いわゆる「流し」や配車待ちの時間が減って生産性の向上につなげることができるのではないかとしています。


どちらがお得?

国土交通省によりますと、今回の実験では、事前に決める運賃はメーターの場合とほぼ同じになるよう各社が調整しているということで、過去の走行データなどを参考に、メーターよりも30%以上高くならないよう設定されているとしています。

7日、実際に双方の方式のタクシーで、同時に港区白金台から上野駅まで利用してみた結果は、メーターが5380円だったのに対して、事前に運賃を決めたほうは4550円でした。
メーターのほうが830円高くなったのは、7日はお盆前で交通量が多く渋滞している場所もあったためだということで、渋滞がなければほぼ同じになるということです。

利用者にとってどちらが得かは、利用する日や時間帯によっても違ってくる場合がありそうです。

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