トヨタとマツダが資本提携 電気自動車を共同開発へ

2017年08月04日 18時00分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

トヨタ自動車とマツダは、次世代のエコカーとして世界的に需要の拡大が見込まれる電気自動車の共同開発などを進めるため、相互に出資する資本提携を行うことを正式に発表しました。

発表によりますと、トヨタはマツダの株式の5%余りを500億円で取得する一方、マツダもトヨタの株式の0.25%をおよそ500億円で取得することで合意しました。

両社はおととし、自動車の環境技術など幅広い分野で業務提携しましたが、今回の資本提携で関係をさらに強化し、走行中に排ガスを出さない電気自動車などの共同開発に乗り出すとしています。

電気自動車は欧米や中国で排ガス規制が強化されるのに伴い需要の拡大が見込まれていますが、両社はこれまで電気自動車を販売しておらず、今回の提携によって事業を強化する方針です。

また両社はおよそ16億ドル(およそ1760億円)を投資してアメリカに共同で新工場の建設を検討するとしていて、これによりマツダは課題だった主力市場のアメリカでの現地生産に乗り出すことになります。

トヨタはことし上半期の販売台数で世界3位にとどまりましたが、マツダとの提携などで巻き返しを図ることにしており、世界の自動車メーカーの販売競争は今後、電気自動車や自動運転など最先端技術の開発が勝敗の鍵を握ることになりそうです。

トヨタ社長「もっとよい車を」

今回の資本提携について、トヨタの豊田章男社長は記者会見で「マツダは私たちが目指す『もっとよい車づくり』を実践している会社だ。グーグルやアップル、それにアマゾンといった新しいプレーヤーが登場しているが、私たちはこれまでモビリティ社会を支えてきた自負がある。自動車会社の原点であるもっとよい車づくりを進めていきたい」と述べました。

豊田社長は「かつての自動車メーカーの競争は1000万台をだれが達成するかという販売台数をめぐる競争だったが、これからの競争は、AIや自動運転、IT企業との戦いなど今までと違う前例のないものだ」と述べ、自動車メーカーをとりまく環境に対し強い危機感を示しました。

また、アメリカで新工場の建設を検討することについて、豊田社長は「トランプ大統領の発言は全く関係ないが、現地の雇用と経済に貢献する目的と狙いについては理解してもらえると思っている」と述べました。

マツダ社長「新プレーヤーと競争協力」

マツダの小飼雅道社長は記者会見で「マツダは2020年に100周年を迎えるが、その先の将来を考えると自動車会社だけで車が作れるものではなく、新しいプレーヤーと競い合い、協力しあっていかなくてはならない。次の100年も車が楽しいというメッセージを世界に発信することで、自動車業界の活性化や発展に貢献していきたい」と述べました。

小飼社長は、今回の資本提携で電気自動車の共同開発を進めることについて「電気自動車は発展期を迎えている技術で、まだ国の規制などの将来予測は難しいが、今後の変動にフレキシブルに対応できる体制を準備したいと考えた。トヨタと切磋琢磨(せっさたくま)しながら電気自動車の基本技術を開発していきたい」と述べました。

また、アメリカで共同で工場を建設する計画について、小飼社長は「持続的な成長を遂げるために必要なのはアメリカの現地生産だった。アメリカを中心とした販売台数の増加やアメリカの人たちに喜んでもらうことを目的に工場の建設を検討をしていこうという話になった」と述べ、アメリカでの販売を伸ばすためには地域の雇用貢献につながる工場の建設が必要だという考えを示しました。

トヨタ 電気自動車開発の狙い

トヨタがマツダとの資本提携に踏み切った大きな狙いは電気自動車の開発です。トヨタはエコカーの分野ではこれまでハイブリッド車を主力としてきましたが、電気自動車の開発は出遅れが指摘されています。

トヨタは電気自動車以外にも水素を燃料とする燃料電池車や自動運転技術など多くの最先端技術の開発を進め、ばく大な研究開発費を投じる必要があります。このためマツダとの提携で効率よく開発を進め、グループの中で広く技術を普及させることで利益につなげていく狙いがあります。

またマツダが得意とするガソリンエンジンの技術力を取り込むなどして、開発体制を強化する狙いもあるものと見られます。

背景に次世代エコカー開発競争

トヨタ自動車とマツダが資本提携した背景には次世代のエコカーをめぐる開発競争があります。

トヨタ自動車はガソリンエンジンを搭載したハイブリッド車をほかのメーカーに先駆けて発売し、世界のエコカー市場をリードしてきました。しかしこのところ、世界の自動車メーカー各社はハイブリッド車に代わる次世代のエコカーの主力として走行中に排ガスを出さない電気自動車の開発を強化する動きが広がっています。

理由は世界各地で強まる環境規制です。世界最大の市場である中国で、都市部の大気汚染対策として政府が電気自動車の普及に乗り出しています。中国政府は自動車メーカーに対し、中国で生産する車のうち一定の割合を電気自動車とするよう義務づける新たな規制を導入する計画です。

またヨーロッパでは、先月、イギリスとフランスの政府が2040年を目標にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止することを相次いで発表しました。一方、世界で最も厳しい水準の環境規制が実施されているアメリカ・カリフォルニア州は、自動車メーカーに一定の割合でエコカーの販売を義務づけていますが、ことし秋からガソリンエンジンを搭載するハイブリッド車がエコカーの対象から外されます。

こうした動きを受けて、ドイツのフォルクスワーゲンが今後10年間で30車種以上の電気自動車を投入する方針を明らかにしたほか、先月、スウェーデンのボルボは2019年以降すべての車種を電動化すると発表しました。また日産自動車も、1回の充電で走れる距離を大幅に伸ばした新型の電気自動車をことしの秋に日本や欧米で発売するほか、中国では低価格の電気自動車を新たに投入する計画です。こうした中、トヨタとマツダはまだ電気自動車を販売しておらず、開発の遅れも指摘されていました。

アメリカに新工場 なぜ

今回の提携の大きな狙いの一つが、アメリカ戦略の強化です。トヨタ自動車とマツダは、およそ16億ドル(およそ1760億円)を投資してアメリカに共同で新工場の建設を検討することで合意しました。

アメリカでは、トランプ大統領が雇用を増やすために自動車メーカーに現地生産を拡大するよう繰り返し求め、ツイッターでトヨタがメキシコに工場を建設する計画を名指しで批判したこともありました。

これに対しトヨタは主力市場のアメリカでのイメージダウンを避けたいとして、現地の雇用貢献につながる新たな工場の建設を検討していました。一方、マツダもアメリカに工場を持っていないことが経営の課題となっており、両社の思惑が一致した形です。

トランプ大統領 新工場建設を評価

アメリカのトランプ大統領は4日、ツイッターに「トヨタ自動車とマツダが、ここアメリカに16億ドルをかけて新たな工場を作り、4000人の雇用を創出する。アメリカの製造業への大きな投資だ」と投稿し、新工場の建設を評価しました。

トランプ大統領は、就任前のことし1月、トヨタ自動車によるメキシコへの工場の建設計画を批判していましたが、今回、アメリカに新工場を建設するという発表を受けて、みずからの実績として、雇用の創出が進んでいるとアピールした形です。

世界の自動車業界4グループが激しい競争

世界の自動車業界は大きく4つのグループが激しい競争を繰り広げています。

このうちことし上半期の販売台数は、日産自動車とルノー、三菱自動車工業のグループが526万8000台となり、初めて世界トップに立ちました。
次いでドイツのフォルクスワーゲンが515万5600台、そしてトヨタ自動車は512万9000台と3位にとどまりました。4位はアメリカのGM=ゼネラル・モーターズで468万6000台でした。

3位にとどまったトヨタはマツダとの提携などによって巻き返しを図ることにしており、世界の自動車メーカーの販売競争は今後、電気自動車や自動運転など最先端の技術の開発が勝敗の鍵を握ることになりそうです。

世耕経産相「政府として次世代車を後押し」

トヨタ自動車とマツダが資本提携を行うことを発表したことについて、世耕経済産業大臣は記者団に対し「今回の提携のような協調の動きが広がっていることを歓迎したい。わが国にとって重要な自動車産業が世界をリードしていくことにつながってほしい」と述べました。

そのうえで世耕大臣は「電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車という次世代の車がバランスよく普及するよう、政府として技術開発への支援や購入の際の補助金などを通じて後押ししたい」と述べました。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。