幼い子どもを中心に流行し、手足や口に発疹ができる「手足口病」について、今月9日までの1週間に全国から報告された患者数は1万8100人余りに上り、国立感染症研究所は6年前の大きな流行と同じ規模になるおそれもあるとして、特に子どものいる家庭では手洗いなどの対策を徹底するよう呼びかけています。


「手足口病」は、幼い子どもを中心に手や足、それに口の中に発疹ができるウイルス性の感染症で、まれに脳炎などの重い症状を引き起こすことがあります。

国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者の数は1万8151人と、前の週からおよそ7000人増えました。

1医療機関当たりの患者数は5.74人で、この10年の同じ時期と比べると最大の患者数となった平成23年に次ぐ大きな流行になっています。

都道府県別に1医療機関当たりの患者数を見ますと、高知県が19.1人と最も多く、次いで鳥取県が14.84人、滋賀県が13.66人、宮崎県が13.64人などとなっていて、すべての都道府県で前の週より増加しています。

国立感染症研究所の藤本嗣人室長は「このあと2週間から3週間でピークを迎え、平成23年の大きな流行と同じ規模になるおそれもある。特に2歳以下の報告が多く、子どものいる家庭では石けんでしっかり手を洗うほか、子どもが集まる保育園などの施設では複数の子どもが使うものは消毒するなどの対策が必要だ」と話しています。


手足口病とは

手足口病はウイルスが原因の感染症で、主にウイルスの付着した手を口元にもっていったり、感染者のせきやくしゃみを吸い込んだりすることで感染します。大人は感染しても発症しないケースが多いとされていますが、5歳以下の子どもでは夏場に発症することが多く、特に免疫を持っていない2歳以下の小さな子どもの間で流行する傾向があります。

ウイルスに感染すると3日から5日ほどの潜伏期間を経て、手や足、それに口に2ミリほどの発疹が現れるのが特徴で、38度以下の軽い熱が出ることもあります。通常は1週間ほどで回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすこともあり、死亡例も報告されています。

今シーズン流行の主流のウイルスは平成23年の大流行の時と同じ「コクサッキーA6」と呼ばれるタイプで、症状が収まった後も数週間したあとに指の爪がはがれることがあります。

一方、患者の中で割合は少ないものの、ほかのタイプと比べて脳炎などを引き起こしやすいとされる「エンテロウイルス71」と呼ばれるタイプも検出されています。
20年前の平成9年にはこのウイルスとの関連が指摘される子どもの死亡例が3件報告されるなどしていて、専門家は注意が必要だとしています。


予防法は?

手足口病の予防方法です。
専門家によりますと、まずはほかの感染症と同じように、トイレの後や食事前など、石けんと流水でしっかりと手を洗うことが重要だとしています。
また感染者の便からもウイルスが排出されるので、オムツを処理する際には使い捨ての手袋を使うなどしてウイルスを周囲に広げないように適切に処理することが必要だとしています。

さらに保育園をはじめとした小さな子どもが集まる施設では、おもちゃやタオルなど子どもが共有するものはきちんと消毒することが有効だということです。

一方、手足口病にはウイルスに効果のある治療方法やワクチンはなく、症状に合わせた対症療法が中心となります。
夏場のこの時期、注意が必要なことの1つは口の中に症状が現れた場合で、痛みなどがあってもきちんと水分を補給することが大切だということです。

専門家は、一般的に手足口病は軽い症状で終わることがほとんどで医療機関などを受診して経過観察で回復するケースが多いのですが、まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすことがあると話しています。
髄膜炎や脳炎の主な症状は、高熱が出たりおう吐や頭痛を訴えたりするほか、視線が合わない、呼びかけに答えないなどの症状があります。
こうした症状になった場合にはすぐに病院にいくよう呼びかけています。

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