世界せかい最北さいほく 対馬つしまおきサンゴさんごしょうで「白化はっか現象げんしょうはつ確認かくにん

2017年07月18日 05時15分

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世界せかいもっときたにある長崎県ながさきけん対馬市つしましおきサンゴさんごしょうで、海水温かいすいおん上昇じょうしょうによるとられる「白化はっか現象げんしょう」が国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょなどの調査ちょうさはじめて確認かくにんされ、専門家せんもんかは「この海域かいいきでの白化はっか異常いじょうで、サンゴの生息域せいそくいきおどかされる可能性かのうせいがある」と指摘してきしています。

国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょなどは去年きょねん、サンゴがしろくなり、死滅しめつするおそれがたかくなる「白化はっか現象げんしょう」が、海水温かいすいおん上昇じょうしょうによって、沖縄おきなわサンゴさんごしょう大規模だいきぼ確認かくにんされたことをけて、去年きょねん12がつ対馬市つしまし豊玉町とよたまちょうおきサンゴさんごしょう調査ちょうさしました。その結果けっか全体ぜんたいのおよそ3わり白化はっか確認かくにんされたということです。

研究所けんきゅうじょによりますと、対馬つしま周辺しゅうへん海域かいいきでは去年きょねんの7がつと8がつ海水温かいすいおんが、平年へいねんより1から2ほどたかくなって30えるつづいていて、対馬つしまへの台風たいふう接近せっきんすくなく海水かいすいがかきぜられなかったことや、エルニーニョ現象げんしょうなどが影響えいきょうしたとられるということです。

対馬つしまおきサンゴさんごしょうは、現在げんざい確認かくにんされている世界せかいサンゴさんごしょうなかもっときたにあり、この海域かいいき海水温かいすいおん上昇じょうしょうによるとられる白化はっか確認かくにんされたのははじめだということです。

国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょ生物せいぶつ生態系せいたいけい環境かんきょう研究けんきゅうセンターの山野やまの博哉ひろやセンターちょうは、「通常つうじょう水温すいおんひくいはずのきた海域かいいき白化はっか確認かくにんされたことは異常事態いじょうじたいだ。今後こんごも、海水温かいすいおんたか状態じょうたいつづけばサンゴの生息域せいそくいきおどかされる可能性かのうせいがある」とはなしています。

白化はっか 生態系せいたいけい崩壊ほうかい

サンゴの体内たいないには、「褐虫藻かっちゅうそう」とばれる植物しょくぶつプランクトンが共生きょうせいし、光合成こうごうせいおこなってサンゴに栄養えいよう供給きょうきゅうしていますが、海水温かいすいおんが30えるが2週間しゅうかんから1かげつほどつづくと、褐虫藻かっちゅうそう光合成こうごうせいができなくなり、サンゴのなかからえていきます。このため、サンゴの骨格こっかく石灰質せっかいしつけてしろえるようになる「白化はっか」がきます。海水温かいすいおんたか状態じょうたいがさらに2週間しゅうかんから1かげつほどつづき、褐虫藻かっちゅうそうもどらなければ、栄養えいようられなくなったサンゴは死滅しめつします。サンゴがぬことによってサンゴさんごしょうはぐく生態系せいたいけいくずれ、漁業ぎょぎょう資源しげん観光かんこう資源しげん枯渇こかつにつながることが懸念けねんされています。

予想よそう以上いじょう深刻しんこく

気象庁きしょうちょうによりますと、日本にっぽん近海きんかいでは、この100年間ねんかん海水温かいすいおん平均へいきんで1以上いじょう上昇じょうしょうしていて、沖縄おきなわ周辺しゅうへん海域かいいきでは去年きょねん石垣島いしがきじまおき国内こくない最大さいだいサンゴさんごしょう石西礁湖せきせいしょうこ」で、白化はっか現象げんしょうきておよそ7わりのサンゴがんだことが確認かくにんされました。国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょは、世界せかい温暖化おんだんか対策たいさくらずにこのままのペースで二酸化にさんか炭素たんそ排出はいしゅつつづけた場合ばあい九州きゅうしゅう四国しこく周辺しゅうへんでも海水温かいすいおんがって白化はっか現象げんしょうがさらにひろがり、2070年代ねんだいには日本にっぽん近海きんかいのサンゴが全滅ぜんめつするおそれがあると予測よそくしています。

こうした事態じたいけて環境省かんきょうしょうはことし4がつ、サンゴの保全ほぜんけて被害ひがい状況じょうきょう正確せいかく把握はあく白化はっか現象げんしょう予測よそくする手法しゅほう確立かくりつ、さらに優先的ゆうせんてき保全ほぜんすべき地域ちいき特定とくていなど、今後こんごみをんだ緊急きんきゅう宣言せんげん採択さいたくしています。

国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょ生物せいぶつ生態系せいたいけい環境かんきょう研究けんきゅうセンターの山野やまの博哉ひろやセンターちょうは、「予想よそう以上いじょう気候きこう変動へんどう影響えいきょう深刻しんこくで、いままで海水温かいすいおんひくいため生息せいそく問題もんだいがないとおもわれていたような場所ばしょのサンゴでも、保全ほぜん対象たいしょうにする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

サンゴさんごしょうでは対馬つしまおき世界せかい北限ほくげん

国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうじょによりますと、サンゴはもっとさむつき水温すいおんが18以上いじょうあたたかい海域かいいき生息せいそくしていて、日本にっぽん近海きんかいでは、太平洋側たいへいようがわ千葉県ちばけん日本海側にほんかいがわでは新潟県にいがたけん周辺しゅうへん海域かいいきでも生息せいそく確認かくにんされていますが、すう千年せんねんかけて形成けいせいされるサンゴさんごしょうとしては、平成へいせい24ねんみとめられた長崎県ながさきけん対馬市つしましおきサンゴさんごしょう世界せかい北限ほくげんたります。