大型のカミキリムシが日本侵入し被害拡大

2017年07月11日 21時57分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

中国やベトナムなどが原産の大型のカミキリムシ、「クビアカツヤカミキリ」が日本に侵入し、7つの都府県に生息域を広げて地域の住民に親しまれている桜の古木や桃農園の桃の木などを食い荒らし木を伐採せざるを得なくなるなど被害が広がりつつあることがわかりました。専門家は、このまま拡大すれば、地元で花見ができなくなる地域も出るおそれがあるとしていて国の研究機関は根絶のための新たな薬剤の開発などを始めました。

中国やベトナムなどが原産の「クビアカツヤカミキリ」は体長が4センチに達する大型のカミキリムシで、つくば市の森林総合研究所によりますと在来のカミキリムシの5倍から10倍にあたる1000個以上の卵を産んだりするなど繁殖力が強いのが特徴です。

また日本では天敵がほとんどいないために増えやすく、幼虫は、2年から3年、桜や桃、梅の古木などバラ科の樹木の幹に入り込み内部を食い荒らすということです。

このカミキリムシが国内で初めて確認されたのは5年前の平成24年ですが、森林総合研究所が調べたところこれまでに東京、群馬、栃木、埼玉、愛知、大阪、徳島の合わせて7都府県に生息域が拡大していることがわかりました。被害の出た桜や農園の桃の木を次々に切り倒すなどの対策が取られていますが、いずれの地域でも根絶できていないということです。

このうち栃木県では、先月下旬、佐野市と足利市にある19の桃農園の桃の木、113本が食い荒らされ、県が農家に対しカミキリムシを見つけたらすぐに連絡するよう注意を呼びかけています。

また埼玉県草加市では、住民が春には花見を楽しむ用水路の桜並木が枯れたり、長年地域で親しまれていた桜の古木が被害に遭い、伐採されたりしています。徳島県では、去年から桃農家の桃の木に被害が出始め、ことしも県が調査した50の農園のうち少なくとも35の農園の桃やスモモで被害が確認され、被害の拡大が食い止められていないということです。このため県は大学生のボランティアを募って被害の確認された桃園で成虫を捕獲する対策を始めています。

森林総合研究所では被害の出た木を伐採するこれまで方法では、拡大を防げないとしてフェロモンを使って成虫を集めて殺す方法や広く散布できる新たな殺虫剤などの開発を始めました。

環境省は、この秋にもクビアカツヤカミキリを「特定外来生物」に指定して飼育や移動などを原則禁止することにしています。

森林総合研究所の加賀谷悦子穿孔性昆虫担当チーム長は「このままだと地元で花見ができなくなる地域が出たり、梅や桃の農家が多大な被害を受けるおそれがある。事態は切迫しており、新たな駆除技術の確立を急ぎたい」と話しています。

クビアカツヤカミキリとは

「クビアカツヤカミキリ」は、中国やベトナムなどが原産の大型のカミキリムシで、体長は、3センチから4センチになります。

国内では5年前に愛知県で初めて確認されました。原産地から木材を輸入する際、木の内部に幼虫が入り込んでいるのに気付かないまま輸入することで各国に広がっていると見られ、2008年以降、ドイツやイタリア、アメリカなどでも確認されています。

森林総合研究所によりますと、クビアカツヤカミキリは日本の在来種のカミキリムシに比べてメスが産む卵の数が5倍から10倍も多く、1匹のメスが1000を超える卵を産むこともあるということです。

気温の低い中国北部から気温の高いベトナム北部まで広い範囲に生息しているため日本では、北海道から沖縄まで全国的に生息が可能だと考えられていて被害の拡大が懸念されています。

特定外来生物とは

「特定外来生物」は、人の生命や身体、それに農作物などに被害を及ぼしたり、被害を及ぼすおそれがあったりする生物で環境省が「外来生物法」に基づいて指定します。

これまでに哺乳類やは虫類、昆虫や植物など132種類が指定されていて先月、神戸港で初めて確認された強毒の「ヒアリ」も特定外来生物です。特定外来生物に指定されると飼育や栽培、運搬などが原則禁止され違反した場合には最高で個人には、懲役3年、もしくは罰金300万円、法人には罰金1億円という罰則も設けられています。

クビアカツヤカミキリはことし2月の環境省の会合で特定外来生物に新たに指定されることが決まっていて、この秋にも正式に指定されることになっています。

全国2例目の草加市では

愛知県に続いて4年前、全国で2番目に「クビアカツヤカミキリ」が発見された埼玉県草加市では、今も市内の桜並木などに被害が広がっています。

草加市では、4年前の平成25年7月に、市民に親しまれている用水路沿いの桜並木で、小学生が見慣れないカミキリムシを見つけ、その後、専門家によって、「クビアカツヤカミキリ」と判明しました。市が駆除活動を始めましたが、この桜並木では、樹齢40年から50年ほどのソメイヨシノで次々と幼虫が見つかり、16本が伐採されました。

いまも被害は続いていて、桜の木の根元には、幼虫が食い荒らして出たフラスと呼ばれる木くずを含む粉末がたまるなどしています。草加市で活動に当たっている、埼玉県生態系保護協会の加納正行副会長によりますと草加市では、公園や大学、企業の敷地にある桜や梅、桃の木でクビアカツヤカミキリが確認されているということです。隣接する八潮市でも生息が確認されているということです。

このうち、草加市内の町内会の会館では、地元の住民が親しんできた樹齢50年ほどのソメイヨシノの木がクビアカツヤカミキリにやられ先月、伐採されました。町内会の会長を務める、野田克己さんは、「毎年春には立派な花を咲かせ町内でもなじみのある桜だったので、名残惜しいがやむをえず伐採した。外来種の被害の大きさを身近に感じた」と話していました。

現在、草加市内では、幼虫が生息していると見られる木の幹を網で覆って、成虫になっても外に飛び出して被害を広げないよう対策が進められていて、加納さんは「外来種は、一度住み着いて生息域が広がってしまうとどんどん広がってしまう恐ろしさを感じた。被害に気付きにくい民家などでの駆除を急ぐ必要がある」と話していました。

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