強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」が大阪港で見つかり、女王アリが含まれていたことが環境省の調査でわかりました。国内でヒアリの女王アリが見つかったのは初めてで、環境省は、周辺で繁殖していないかどうか引き続き調べることにしています。


環境省近畿地方環境事務所などによりますと、先月23日に大阪港の倉庫に搬入されたコンテナから外来種の「アカカミアリ」が確認されたため、先月30日、周辺で専門家による緊急調査を行ったところ、地面から「アカカミアリ」や「ヒアリ」と見られるまとまった数のアリが見つかりました。

このため、殺虫剤で周辺の駆除を行い、一部をサンプルとして採取したところ、採集したうちの10匹が「ヒアリ」だとわかりました。

「ヒアリ」は、これまで神戸港や名古屋港で見つかっていますが、大阪港で確認されたのは今回が初めてです。

さらに、殺虫剤をまいた地面から50匹程度のアリの死骸が見つかり、この中にヒアリの女王アリが含まれていたことが新たに確認されました。

国内で、ヒアリの女王アリが確認されたのは初めてで、環境省近畿地方環境事務所は、周辺で繁殖していないかどうか引き続き調査を進めることにしています。


5日 現地に専門家や職員を派遣へ

ヒアリが、新たに大阪・住之江区の南港で見つかったことを受けて、山本環境大臣は4日の会見で「防除に注力することが大切だ」と述べ、5日、現地に専門家や職員を派遣し、周辺に広がっていないか詳しく調査することを明らかにしました。

環境省によりますと、先月30日、大阪・住之江区の南港のアスファルトの割れ目などから多数のアリが見つかり、殺虫剤で周辺の駆除を行うとともに、専門家が一部を詳しく調べた結果、3日、ヒアリだと確認されました。

また、殺虫剤をまいた地面から3日、50匹ほどのアリが新たに見つかり、中には女王アリと見られるアリも含まれていたということです。

山本環境大臣は、4日の閣議後の記者会見で、「女王アリだとすれば、まとまった数のアリがいる可能性が高いと言える。いずれの場合も水際でしか見つかっていないので、防除に注力することが大切だ」と述べました。

そのうえで周辺に広がっていないか確認するため、5日、現地に専門家や職員を派遣してさらに詳しく調査することを明らかにしました。

国内でヒアリが確認されたのは、神戸港、名古屋港などに続いて、4例目です。


神戸港や名古屋港でも

ヒアリは、これまでに神戸港や名古屋港などでも見つかっています。

ヒアリが国内で初めて確認されたのは先月9日。中国・広東省から送られ神戸港で陸揚げされたコンテナを、保管場所の尼崎市で調べたところアリの巣が見つかり、専門機関でヒアリと確認されました。

これを受け、コンテナが置かれていた神戸市と尼崎市の合わせて3か所で緊急調査が行われた結果、神戸港のコンテナ置き場の路面から見つかった100匹程度のアリが、ヒアリだったことが新たにわかりました。

さらに、先月24日に名古屋港に陸揚げされたコンテナの上からも外来種と見られる7匹のアリが見つかり、環境省は、鑑定した2匹がヒアリだったと明らかにしました。


専門家「ヒアリ侵入初期の対策が重要」

ヒアリなどの外来生物に詳しい国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長は「見つかったのはヒアリとしてはまだ小さい集団で、広がる前に発見できたといえる。よく探せば国際貨物が入るほかの港でも見つかる可能性は高いと考えられるので、モニタリングを強化し、地元の自治体と情報を共有して対策をとることが重要だ。侵入初期に対策をとって分布拡大を防いだニュージーランドのように、上陸してまもない状態の時に発見し、対策をとることが求められる」と話しています。


ヒアリに触らないで

大阪市の吉村市長は記者団に対し、「ヒアリは猛毒を持っているので、大阪市としてはまず、周辺の住民にヒアリに触らないよう注意喚起をしていきたい。そのうえで国と連携して、これ以上ヒアリが広がらないように水際で防止するために駆除に力を入れる」と述べました。


国交省が対策要請

大阪・住之江区の南港で新たにヒアリが見つかったことを受けて国土交通省は4日、中国と定期航路を結んでいる全国63の港の管理者に対して、コンテナ置き場に殺虫効果のある餌を設置するなどの対策をとるよう文書で要請しました。また、このほかの港の管理者に対しても作業を行う際には十分注意するとともに、もしヒアリと見られるアリが確認された場合は、国交省と環境省に速やかに通報するよう呼びかけています。

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