ふるさと納税で全国の自治体に寄付された総額は昨年度2844億円余りで、前の年度のおよそ1.7倍に増え、4年連続で過去最高を更新しました。


ふるさと納税は生まれ育った自治体などに個人が寄付をするとその金額の一部が所得税と住民税から控除される仕組みで、自治体が返礼品として地方の特産品などを贈って人気を集めるケースもあります。

総務省によりますと昨年度、全国の自治体に寄付された総額は2844億円余りで、前の年度のおよそ1.7倍に増え、4年連続で過去最高を更新しました。

自治体別では宮崎県都城市が最も多く73億3300万円で、特産の肉や焼酎などの返礼品が知られていて2年続けてトップになりました。

次いで、長野県伊那市の72億500万円、静岡県焼津市の51億2100万円などとなっています。また、地震で被害を受けた熊本県と県内の自治体には合わせて80億4700万円が、大規模な火災が起きた新潟県糸魚川市には4億5200万円が寄付され、いずれも前の年度を大きく上回りました。

一方で、返礼品をめぐる競争の過熱を抑えようと、総務省は今年度から高額な返礼品の見直しなどを寄付が多いおよそ200の自治体に働きかけていて、これまでに9割程度が見直す意向を示しているということです。

高市総務大臣は、閣議のあとの記者会見で、4年連続で過去最高を更新したことについて「地方創生を進める観点からも、大変心強いことで、今後も、自治体の財源が、効果的に活用される取り組みが積極的に展開されることを期待したい」と述べました。

一方で、高市大臣は、返礼品をめぐる各自治体の対応について、「4月に総務省が出した、返礼品の調達価格を寄付額の3割以下に抑えるよう要請した通知にそった対応を足並みをそろえてとることが大事だ」と述べました。


寄付額全国一の宮崎 都城 申し込み額が大幅減

宮崎県都城市は「ふるさと納税」の寄付額が2年連続で全国で最も多くなりました。しかし、総務省の通知で高額すぎるなどと指摘された返礼品を見直したところ、申し込みの額が前の年と比べて大きく落ち込みました。

総務省によりますと、昨年度、都城市はふるさと納税の寄付額が73億3300万円余りと、2年連続で全国の自治体で最も多くなりました。

都城市では「ふるさと納税」をした人に特産の焼酎や肉を返礼品として贈っていて、市はこうした返礼品の魅力も寄付が増えた原因だと見ています。
ただ、100万円を寄付した人への返礼品として焼酎365本を贈るなど返礼品が高額すぎるなどと総務省から通知を受けたため、都城市は先月から返礼品を見直し、100万円と50万円の寄付のコースを取りやめたり、寄付額に対する返礼品の額の割合を抑えたりしました。

この結果、先月の寄付の申し込みの総額はおよそ1億5000万円と、前の年の3割程度まで減ったということです。

見直しの影響は、返礼品を取り扱う地元の業者にも広がっています。市内で酒店を営む平瀬修さん(66)は、ふるさと納税向けの焼酎の申し込みが先月、およそ150件と前の年の同じ月に比べて半分に減ったということです。

平瀬さんは「件数が減ったことは残念ですが、商品開発などさまざまなアイデアを駆使し、全国に都城の魅力を発信したい」と話していました。

都城市の池田宜永市長は4日の記者会見で「返礼品を見直した影響が出ているが、総務省の通知を守るとともに地域の活性化につなげるツールとして、今後もふるさと納税を活用していきたい」と話していました。


取り扱いやめるよう求められた家具の産地では

「ふるさと納税」の返礼品をめぐって、総務省は「資産性が高いもの」は制度の趣旨に反するとして、「家具」などの取り扱いをやめるよう求めていますが、北海道旭川市は「地場産業の振興には欠かせない」として「家具」の返礼品を続ける方針です。

旭川市は全国でも有数の木製家具の産地で、現在、周辺の町と合わせておよそ100の業者が家具を製造しています。市は平成27年度から「ふるさと納税」の返礼品として地元産の家具の取り扱いを始め、今は5万円以上寄付した人に「いす」や「テーブル」などを贈っています。

平成28年度に旭川市に寄付された金額は1億8225万円余りと、前の年度に比べて70%余り増えました。

家具の製造・販売を行う市内の会社では、去年出荷した「1人掛け用のいす」、およそ400脚のうち半分以上が返礼品向けだったということです。しかし、総務省が自治体に出した通知では、「家具」は資産性の高いものだとして返礼品にしないよう求めていて、この会社では「家具」が返礼品から外れると売り上げに大きく影響すると心配しています。
野原寛史社長は「返礼品として出荷も増えているので、なんとかこのまま続けてもらいたい」と話しています。

こうしたことから旭川市は「地場産業の振興には欠かせない」として、今後も「家具」を「ふるさと納税」の返礼品として贈る方針です。旭川市税制課の上田康平さんは「正直、困惑していますが、地場産業の振興が目的で、ふるさと納税の趣旨を逸脱するものではないと思う。やめれば家具業界への影響も大きいのでなんとか続けたい」と話しています。

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