惨状伝えたシリアの少女「ネット影響力25人」に

2017年06月27日 16時09分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

アメリカの雑誌「タイム」は、「インターネット上で最も影響力のある25人」を発表し、このうちの1人に内戦で激しい戦闘が続いていたシリアのアレッポの惨状をツイッターで伝え続けた8歳の少女が選ばれました。

「タイム」誌はおととしから毎年、インターネット上で最も影響力のある人たちを選んでいて、これまでにアメリカのオバマ前大統領や世界的な人気歌手のビヨンセさんなどが選ばれています。

ことしの25人が26日発表され、このうちの1人にシリアの8歳の少女、バナ・アベドさんが選ばれました。アベドさんは、去年12月まで内戦で激しい戦闘が続いていたシリアのアレッポ東部にとどまり空爆で街が破壊されたり友人が亡くなったりした体験をツイッターを通じて世界に伝え、戦闘の停止を訴えてきました。

隣国のトルコに避難した今も、難民としての生活の様子を発信し、アベドさんのアカウントのフォロワーは36万人を超えています。

今月20日の世界難民の日には、動画のメッセージを投稿し、「きょう、世界中に大勢の難民がいることを忘れないで。住む家も病院も仕事もない難民の姿を想像して」と英語で訴えました。

「タイム」誌はアベドさんを選んだ理由について、「ごくわずかのジャーナリストしかアレッポ東部に立ち入れない中、シリアの内戦の恐ろしさを気付かせてくれた。アベドさんは多くの報道を引き寄せ、シリアで苦しむ大勢の子どもたちの象徴となった」としています。

「おめでとう」「勇気がある」

バナさんが「インターネット上で最も影響力のある25人」に選ばれたことについて、ツイッターでは「おめでとう。シリアのためになすべきことは、まだたくさんある」とつぶやいた人がいます。

また、これまでの活動について、「本当に勇気がある。あなたは平和を広げるために神に選ばれたのだと思う」とか、「メッセージを世界に送り続けて!」などと、バナさんを励ましたり、過酷な状況下にあるシリアの人たちの支援を訴えたりする投稿も多数見られます。

ほかに選ばれた人たち

アメリカの雑誌「タイム」が選ぶ「インターネット上で最も影響力のある25人」は、おととしから毎年発表されています。これまでにアメリカのオバマ前大統領や世界的な人気歌手のビヨンセさんなどが選ばれています。

ことしは、バナさんのほか、アメリカのトランプ大統領や女優やモデルとして活躍し、ツイッターで5000万人を超えるフォロワーがいるキム・カーダシアンさん、それにハリーポッターシリーズで知られるイギリスの作家J・K・ローリングさんなどが選ばれています。

バナさんのこれまで

バナさん自身のツイッターによると、バナさんの家族は両親と弟2人の5人で、激しい戦闘が続いていたシリアのアレッポ東部で暮らしていました。

去年9月24日にツイッターのアカウントを開設し、英語教師でもある母親のファティマさんの助けを借りながら内戦下の生活を英語で発信してきました。

This is my friend house bombed.She is killed.I miss her so much.
(爆撃された友達の家です。彼女は死にました。彼女がいなくなって、とても寂しい。9月27日)

Stop the bombing now because I want to read.Why bomb us?No bombing.
(本を読みたいから爆撃をやめて。なぜ、私たちを爆撃するの?爆撃は嫌。10月5日)

こうした発信をBBCやCNNなど世界の主要メディアが「アンネの日記」になぞらえて相次いで取り上げ、バナさんは「現代のアンネ・フランク」として紹介されました。

バナさんのツイッターには今回一緒に25人に選ばれたイギリスの作家、J・K・ローリングさんとの交流の様子も投稿されました。内戦で食料や医薬品が不足し、電気や水道などのライフラインも寸断された中で、母親が、読書好きなバナさんのためになんとかして本を手に入れたいとローリングさんに訴えました。すると、ローリングさんが、バナさんのためにハリーポッターの電子版を送ってくれたといいます。

ツイッターの開設から、およそ3か月後の去年12月。バナさんと家族は、アレッポ東部を無事に脱出して隣国のトルコに逃れることができました。そして、エルドアン大統領と面会し、その様子を投稿しました。

ことし1月には、アメリカのトランプ大統領に直筆の手紙を送り、「あなたはシリアの子どもたちのため何か行動を起こすべきだと思います。子どもたちは、あなた方の子どもと同じで平和の喜びを受ける権利があるはずです」などと訴えて注目を集めました。このほか、ロシアのプーチン大統領やイギリスのメイ首相など世界のリーダーに次々と手紙を送り、シリアへの支援を訴えました。

バナさんはシリアの人々の置かれた苦しい状況や食料や医薬品などの支援物資の提供を訴え続けています。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。