タカタ 民事再生法の適用申請 東京地裁に受理される

2017年06月26日 12時36分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

世界的なエアバッグメーカーのタカタは、アメリカなどで相次いだエアバッグの事故の影響で1兆円を超える負債を抱えて経営に行き詰まり、26日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理されました。

タカタは、アメリカでエアバッグの不具合が原因となった死亡事故が相次いだことをきっかけに、日本など世界各地でリコールが拡大し、ことし3月期の決算は795億円の最終赤字に陥りました。

さらに、自動車メーカーが肩代わりしているリコールの費用を含めた負債の総額は1兆円を超えています。

タカタは自主再建の方策を探ってきましたが、関係企業などからの支援が得られないまま経営に行き詰まり、26日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、受理されました。1兆円を超える負債を抱えての経営破綻は、国内の製造業では過去最大だということです。

また、アメリカなどにある海外の子会社12社は25日、アメリカのデラウェア州連邦破産裁判所に、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請して、経営破綻しました。

タカタは今後、裁判所の管理下でリコールの対応などに専念し、それ以外の自動車部品の製造などのすべての事業は中国企業の傘下にあるアメリカの大手部品メーカー、KSS=キー・セイフティー・システムズにおよそ1750億円で譲渡して、両社の事業を統合することで基本合意しました。

タカタは戦後、シートベルトなどの製造で事業を拡大し、エアバッグの分野では、世界の3大メーカーの一角に成長しましたが、大規模なリコールへの対応の遅れなどで消費者や関係企業の信頼を失い、経営破綻に追い込まれることになりました。

KSS「顧客や従業員の支援続ける」

大手エアバッグメーカー、タカタの事業をおよそ1750億円で買収することで合意した、中国企業の傘下にあるアメリカの大手部品メーカー、KSS=キー・セイフティー・システムズは、26日、声明を発表しました。

この中で、KSSは「タカタは世界的なリコールの影響を受けてきたが、シートベルトなどの安全製品の強みが失われることはない」と強調したうえで、「タカタの顧客や従業員の支援を続ける」として、タカタの従業員の雇用を守る方針を明らかにしました。

主力銀行の三井住友銀行が新たに融資枠

主力取引銀行の三井住友銀行はタカタに対し、250億円の融資枠を新たに設けたと発表しました。民事再生手続きが進む間も必要となる取引先への支払いなど当面の運転資金を融資することで、タカタの製品供給が滞らないようにするためだとしています。

経産相「中小企業支援に万全」

世耕経済産業大臣は「影響を受ける取引先の中小企業の資金繰りに万全を期していかなければならない。政府系金融機関と中小企業団体などによる相談窓口の設置と、一定の取引関係を有する事業者に対する貸し付けを100%保証するなどの対策を早急に講じるよう事務方に指示をした」と述べ、タカタと取り引きのある中小企業の支援に万全を期す考えを示しました。

タカタ創業の地 滋賀県では

タカタ創業の地で4つの工場がある滋賀県の三日月知事は「長い間、県を代表する企業として地域経済の発展に寄与してきた。引き続き、関連企業も含めて地域での事業活動と雇用の維持に尽くしてほしい。県としても、国や市町、経済団体などと連携し、地域経済や雇用、生活への影響が最小限となるよう万全を期したい」というコメントを出しました。

タカタ創業の地に近くタカタの工場がある滋賀県愛荘町では会社の先行きへの不安の声や経営再建に期待する声が聞かれました。

45歳の男性は「妻が派遣社員としてタカタの工場の働いています。最近、日本の大きい会社がよく失敗をしているので心配です」と話していました。
また39歳の会社員の女性は「タカタには知り合いも勤めています。民事再生法の手続きで無事に片がつけばよいと思います」と話していました。
また、76歳の女性は「なんとか前のように立て直してほしい。地元のためにもなる」と話し、経営の再建に期待を寄せていました。

工場のある自治体では不安の声

タカタの完全子会社、タカタ九州の工場がある佐賀県内の地元では雇用などに不安の声があがっています。

タカタ九州の工場は佐賀県多久市と有田町にあり、ことし3月末時点で、従業員合わせて540人が自動車向けのエアバッグやシートベルトの製造などにあたっています。

このうち、多久市にある工場には26日朝も従業員がふだんどおり、出勤していました。多くの従業員は一様に固い表情で、無言で工場に向かって行き、「会社から何も聞いておらず、何も知らされていません」などと不安そうに話す人もいました。

地元の市民からは雇用を心配する声などが聞かれました。
このうち40代の男性は「古くから地元で操業し、なじみのある会社なのでぜひ、頑張ってほしい」と話していました。
30代の女性は「知り合いがたくさん働いているので、とてもびっくりしました。市内でも大きな会社なので持ち直してほしいです」と話していました。

また、多久市の横尾俊彦市長は「多久市にとっても日本にとっても重要な会社で、大変、心配している。業務は現状どおり継続されるということなので、雇用面などで大きな混乱にならないように情報収集に努め、国や県と連携をとってしっかり対応していきたい」と話しています。

タカタはグループ会社を含め、国内には滋賀県と佐賀県に製造拠点があります。

このうち佐賀県には完全子会社のタカタ九州の工場が多久市と有田町の2か所にあり、エアバッグやシートベルトの製造などを行っています。

会社によりますと、このうち、多久市の工場は25年前の平成4年から操業していて従業員410人余り、自動車向けのエアバッグやシートベルトの製造を手がけていて、特に、エアバッグは国内で唯一の製造拠点です。

また、有田町の工場は平成20年に創業を始めました。従業員は120人余りで、シートベルトの製造のほか、新製品の安全基準などの適応実験や評価にあたっています。

2つの工場を合わせたタカタ九州の平成27年度の売り上げはおよそ390億円です。

エアバッグ回収率は73%

国土交通省によりますと、国内で、タカタ製のエアバッグの不具合に伴ってリコールの対象になっている車は先月末の時点で、1882万台余りに上ります。

このうち、部品の交換が終わった車は1379万台で、改修率は73.3%にとどまっているということです。国土交通省はタカタに対し、交換用の部品の供給が滞ることがないよう指導し、自動車メーカーには交換の対応を急ぐよう促す方針です。

経営破綻の経緯

タカタが経営破綻に追い込まれた原因はエアバッグのリコール問題でした。

タカタが製造したエアバッグが事故の衝撃などで膨らむ際に金属の破片が飛び散るおそれがあるとして、2013年以降、アメリカや日本など世界各地でリコールが拡大しました。

アメリカの運輸当局などによりますと、アメリカではタカタのエアバッグが原因となった事故で合わせて11人が死亡したほか、日本でも2人がけがをしたということです。

事態をより深刻化させたのはリコールへの対応です。エアバッグの不具合を把握してからリコールを実施するまでに時間がかかり、リコールの範囲を速やかに広げなかったとして、批判が高まりました。

ことし1月には虚偽の報告を作成して自動車メーカーに欠陥がある製品を購入させていたとして、アメリカの司法省がタカタの元幹部3人を詐欺などの罪で起訴しました。

リコールによる部品の交換費用は総額で1兆円を超えます。タカタは自主再建を目指して企業どうしの話し合いによる「私的整理」での再建を主張し、リコールの費用を肩代わりしている自動車メーカー各社に債権放棄、借金の棒引きを求めました。しかし、メーカー側は同意せず、裁判所の管理下で経営の再建を進める「法的整理」のほうが公平で透明性が高いと主張し、協議は難航していました。

タカタの負債総額は自動車メーカーが肩代わりしているリコールの費用を含めて、1兆円を超えています。この負債額は去年11月に特別清算したパナソニックプラズマディスプレイの5000億円や、平成24年に会社更生法の適用を申請した半導体メーカー、エルピーダメモリの4480億円を上回り、日本の製造業としては過去最大の規模の経営破綻となります。

日本でも被害

タカタのエアバッグでは日本国内でも異常破裂が起きて一部が刑事事件になっています。

国土交通省によりますと、国内で記録が残る平成23年以降、これまでに交通事故に伴うエアバッグの異常破裂が7件起きて2人がけがをしています。

このうち、おととし10月、静岡県伊東市で乗用車がトラックに追突した事故では助手席側のエアバッグが異常破裂して神奈川県の60代の女性が大けがをしました。

この事故について、警察は、エアバッグがリコールの対象になっていたのに、タカタや日産自動車が、交換や取り外しなどの対応を取らなかったことが、大けがにつながったとして、今月16日に両社の安全管理の担当者を業務上過失傷害の疑いで書類送検しています。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。