上野動物園のジャイアントパンダが出産 平成24年以来

2017年06月12日 13時47分 NewsWebEasy
仮名がなレベル

東京・上野動物園のメスのジャイアントパンダ、「シンシン」が12日正午前、赤ちゃん1頭を出産しました。上野動物園のパンダの赤ちゃんの誕生は平成24年以来5年ぶりで、動物園によりますと、赤ちゃんはシンシンに抱かれて、元気な声を上げているということです。

上野動物園のシンシンは、ことし2月末にオスの「リーリー」との交尾が4年ぶりに確認され、先月中旬には妊娠の兆候が見られるようになり、動物園は出産の可能性があるとして準備を進めてきました。

シンシンは10日の夕方から室内を歩き回る姿が見られ始め、先週末に中国から招いた専門家と協議のうえ、11日から職員が24時間態勢で注意深く観察してきたということです。

シンシンは12日午前10時57分に破水したあと、午前11時52分に赤ちゃんを1頭出産し、赤ちゃんの鳴き声が確認されたということです。

上野動物園は12日午後3時半から記者会見を開き、詳しい状況を説明しました。それによりますと、赤ちゃんの体重はまだ測っていないものの150グラム程度と見られるということです。性別はまだわからないということです。

出産の様子を撮影した動画では、「ぎゃあ、ぎゃあ」という大きな鳴き声が聞こえたあと、すぐにシンシンがおなかのあたりの赤ちゃんをなめて、世話をしている様子が映っています。

現在の状況について担当者は「母子ともに健康と判断していて、赤ちゃんはシンシンに抱かれて元気な声を上げている」と説明しました。授乳しているかどうかは確認中だということです。
上野動物園は当分の間、24時間態勢で赤ちゃんの発育を見守ることにしています。

上野動物園のパンダの赤ちゃんの誕生は、平成24年にリーリーとシンシンの間にオスの赤ちゃんが生まれて以来5年ぶりで、自然交配での妊娠・出産はこの時以来2例目です。

上野動物園の福田豊園長は「飼育の担当のチームが適切に2頭の飼育を管理して4年ぶりに交尾が成立し、その後も管理を徹底して、きょうの出産を迎えた。とても感無量で、うれしく思っています」と述べました。そのうえで「これからまだまだ不安定な時期が1週間から10日ほど続く。成長の遅い動物なので、半年ほどは緊張する状況が続くので、しっかりやっていきたい」と述べました。

来園者から喜びの声

東京・上野動物園の前では、赤ちゃんパンダが誕生したというニュースを聞いて訪れた人たちから喜びの声が聞かれました。

生後6か月の息子を持つ28歳の母親は「前に出産した時はすぐに死んでしまって残念でしたので、時間はかかりましたが、無事に生まれて本当によかったです。大きく成長していってほしいです」と話していました。

また、2歳の娘を持つ32歳の母親は「お母さんパンダにはお疲れ様と声をかけたいです。また家族そろって赤ちゃんと母親のパンダを見られる日を楽しみにしています」と話していました。

喜びにわく地元商店街

東京・上野動物園のメスのジャイアントパンダ、「シンシン」が赤ちゃんを出産したことを受けて、地元の商店街では早速お祝いのポスターが貼り出されるなど喜びにわいています。

上野動物園に近いJR御徒町駅前の商店街にある喫茶店では、赤ちゃんの誕生が伝えられると店の入り口などにパンダの絵と「おめでとう赤ちゃん誕生」というメッセージが書かれたポスターが貼り出されました。

この喫茶店では、出産予定日とされていた今月8日からパンダの形をした数種類のパンを売り出し、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていたということです。

喫茶店の経営者で上野観光連盟の会長を務める二木忠男さんは「動物園から電話で報告を受けたときはとてもうれしかったです。毎年楽しみにしていましたが、やっとたどり着いたという思いで希望がわいてきました。パンダは上野のシンボルでもあるので元気に育ってほしいです。赤ちゃんがみんなに幸せを与えてくれるような気がしています」と話していました。

小池知事「名前皆さんに考えてもらいたい」

上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」の出産について、東京都の小池知事は記者団に対し、「毎日、シンシンが出産したか聞いていたが、無事、出産したということで喜んでいる。これから名前を募集するので、いい名前を皆さんに考えてもらいたい」と述べました。

官房長官 日本全体が明るくなるニュース

菅官房長官は午後の記者会見で、「大変喜ばしく、日本全体が明るくなるニュースだ。今後もぜひ、元気で健やかに育ってほしい。パンダがなぜ人気があるのかを考えると、愛きょういっぱいの顔やしぐさなのだろうと思うし、それが日中友好の1つの大きな証しでもあるということも大事だ」と述べました。

中国外務省報道官「よい知らせ」

赤ちゃんを出産した東京・上野動物園のメスのジャイアントパンダ「シンシン」は、6年前に中国・四川省からやってきました。

中国外務省の陸慷報道官は12日の記者会見で、「よい知らせだ。パンダは中国とほかの国との友好の使者である。われわれはパンダが両国の国民感情を一層よくするために大きな役割を果たすよう望む」と述べ祝意を示しました。

自然交配は極めて困難

「カンカン」「ランラン」の時代から、およそ30年間にわたって、上野動物園と共同でパンダの繁殖について研究してきた、獣医師の筒井敏彦さんによりますと、パンダの自然交配は極めて難しいということです。

理由は生態について詳しくわかっていない点が多いうえ、2月ごろから5月ごろにかけての繁殖期に、妊娠の可能性が高まるのは2日程度と短いためだということです。

さらに個体の数が少なく、ペアの相性が大きく影響するため、メスが発情しても交尾に至らないケースも多いということです。

出産に向けてさまざまな工夫

シンシンとリーリーの間には、5年前にも赤ちゃんが誕生しましたが、赤ちゃんは肺炎のため6日後に死にました。

それ以降も上野動物園では赤ちゃんの誕生と元気な成長を目指して、さまざまな取り組みを続けてきました。その1つが交尾に必要な筋力トレーニングです。リンゴなどの餌を上からつり下げ、餌を取ろうと後ろ足で立ち上がることで、足腰を鍛えます。

さらに、シンシンが出産後も落ち着いて赤ちゃんを育てられる環境作りも工夫しています。出産や子育てをする産室は縦4.8メートル、横1.8メートルの広さで、新たに鉄製の背もたれを3つ設置しました。

背もたれは半円形と三角形の2種類あり、好みに応じて使い分けができるほか、腰を下ろす床の部分は座り心地をよくするために丸みを持たせています。少しでもリラックスした状態で赤ちゃんに母乳を与えることで、赤ちゃんが元気に成長してほしいと動物園は期待しています。

赤ちゃんは2歳前後で中国へ

シンシンとリーリーの2頭は、平成23年からジャイアントパンダの保護や繁殖に関して中国の保護協会と共同研究する目的で、東京都が借り受けています。協定で期間は10年と定められ、東京都は毎年95万ドルを中国側に支払うことになっています。

シンシンとリーリーの所有権は中国側にあり、今回、生まれた赤ちゃんについても同様に中国側にあることから、将来的に中国に返されることになっています。時期については協定で満24か月と定められていますが、都と中国側、双方の協議で決められるということです。

国内の飼育状況

日本動物園水族館協会や各地の動物園によりますと、現在国内で飼育されているジャイアントパンダは、上野動物園の2頭と、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドの5頭、兵庫県の神戸市立王子動物園の1頭の合わせて8頭です。

このうちアドベンチャーワールドでは、平成15年に日本で初めて双子が誕生するなど、これまでに15頭のパンダが元気に成長し、このうち11頭が繁殖のために中国に渡っています。また、神戸市立王子動物園では平成20年に人工授精によって赤ちゃんが誕生しましたが、3日後に死んでいます。

ネット上にも祝福の声など

東京・上野動物園のパンダの赤ちゃん誕生を受けて、ツイッターなどでは祝福の声や成長を願う投稿が数多く見られました。

ツイッターでは「めでたい!無事に育ちますように」などと喜ぶ声が多数、投稿され、「パンダも頑張った。私も頑張ろう」と、明るいニュースに励まされた様子の投稿もありました。
また5年前には「シンシン」が出産した赤ちゃんが6日後に死んだことから、「前回のこともあるので今回は慎重に、大事に大事に育ててほしいですね」とか、「今度こそ長生きするといいね」などと、健やかな成長を願う声もありました。

一方、和歌山県白浜町の動物公園「アドベンチャーワールド」では、これまでに15頭のパンダが元気に成長していて「おーめでたい。でも和歌山ではガンガン生まれてるんだよね」など、上野動物園の赤ちゃん誕生が大きく注目されていることへのコメントも見られました。

※プログラムでふりがなをけっているので、 間違まちがっている場合ばあ いもあります。