日本版にほんばんGPS衛星えいせい「みちびき」 げに成功せいこう

2017年06月01日 09時48分

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スマートフォンやカーナビなどで利用りようされている、位置いち情報じょうほうシステムの性能せいのう飛躍的ひやくてきたかめる、日本版にほんばんGPS衛星えいせいの「みちびき」が、1日午前にちごぜん17ふん鹿児島県かごしまけん種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターからH2Aロケットの34号機ごうきげられ、げは成功せいこうしました。「みちびき」は、年内ねんないにさらに2げられ、来年春らいねんはるにも実用化じつようかする予定よていです。

日本版にほんばんGPS衛星えいせいの「みちびき」をせたH2Aロケットの34号機ごうきは、1日午前にちごぜん17ふん鹿児島県かごしまけん種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターからげられ、2ほん補助ほじょロケットやロケットの1段目だんめはなしながら上昇じょうしょうつづけました。

そして、げのおよそ29分後ふんご午前ごぜん46ふんごろに、「みちびき」を予定よていどおり、高度こうど275キロ付近ふきんはなし、げは成功せいこうしました。

日本版にほんばんGPS衛星えいせいの「みちびき」は、アメリカのGPSとおなじように、スマートフォンなどの携帯けいたい端末たんまつ位置いち情報じょうほうられる衛星えいせいで、1つの機体きたいが1日当にちあたり8時間じかん程度ていど日本にっぽん付近ふきん上空じょうくうにとどまる特殊とくしゅ軌道きどう飛行ひこうします。

「みちびき」は、今回こんかいふくめて、ことしちゅうわせて3げられる計画けいかくで、7年前ねんまえ試験的しけんてきげられた1わせて4体制たいせいととのえば、つねに1以上いじょう日本にっぽん付近ふきん上空じょうくう飛行ひこうするようになり、来年らいねん春以降はるいこう実用的じつようてき使つかえるようになります。

アメリカのGPS衛星えいせいが、誤差ごさがおよそ10メートルあるのにたいし、GPS衛星えいせいと「みちびき」をわせて利用りようすれば、誤差ごさはわずかすうセンチせんち程度ていどとなり、位置いち情報じょうほうシステムの性能せいのう飛躍的ひやくてきたかめることになります。

このため産業界さんぎょうかいでは、農業のうぎょう機械きかい建設けんせつ機械きかい自動じどう運転うんてんや、ドローンによる自動じどうでの物資ぶっし輸送ゆそう、それに歩行者ほこうしゃようのナビゲーションシステムなど、社会しゃかいらしをえるあらたな技術ぎじゅつ開発かいはつにつながると期待きたいされています。

鶴保つるほ科技かぎしょう確実かくじつ一歩いっぽ

「みちびき」の成功せいこうについて、宇宙うちゅう政策せいさく担当たんとうする鶴保つるほ科学技術かがくぎじゅつ担当たんとう大臣だいじんは、種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターで記者会見きしゃかいけんし、「今回こんかい成功せいこうにより、『みちびき』の4体制たいせい確立かくりつけた確実かくじつ一歩いっぽすことができた。来年度らいねんどからの正式せいしきなサービス開始かいしけて3号機ごうきと4号機ごうき今年度中こんねんどちゅう着実ちゃくじつげるとともに、おおくのほうがサービスを円滑えんかつ利用りようできるよう関係者かんけいしゃ連携れんけいしていきたい。まずは、自動車じどうしゃ自動じどう運転うんてん農業のうぎょう機械きかいなどでの活用かつようかんがえられるが、おおくのアイデアを募集ぼしゅうして、さらなるイノベーションにけた努力どりょくをしていきたい」とべました。

見守みまもったひと

種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターの発射はっしゃじょうからおよそ6キロの場所ばしょにある鹿児島県かごしまけん南種子町みなみたねちょう展望てんぼう公園こうえんでは、家族かぞくれなどおよそ300にんげの瞬間しゅんかん見守みまもりました。

どもと一緒いっしょげを女性じょせいは、「ロケットはまっすぐんでいきました。カーナビがもっと正確せいかくになれば、わたし運転うんてんももっとうまくなるようながします」とはなしていました。

また、東京とうきょうからおとずれた男性だんせいは、「入社にゅうしゃ年目ねんめですが、きょうのロケットのようにわたし人生じんせいげを成功せいこうさせたいです」とはなしていました。

建設けんせつ機械きかい高性能こうせいのう寄与きよ

位置いち情報じょうほう誤差ごさ飛躍的ひやくてきちいさくする「みちびき」。期待きたいせる分野ぶんやの1つが建設業けんせつぎょうかいです。東京とうきょう建設けんせつ機械きかい販売はんばい会社がいしゃは、アメリカのGPS衛星えいせい利用りようして操作そうさ一部いちぶ自動化じどうかするあらたなタイプの建設けんせつ機械きかい開発かいはつし、販売はんばいしています。

たとえば、GPS衛星えいせい利用りようするショベルカーの場合ばあい衛星えいせいから位置いち情報じょうほうをもとに、るべきふかさまですすんだところで自動的じどうてき停止ていしする仕組しくみになっています。その誤差ごさは5センチ以下いかという精度せいどたかさです。

ただ、アメリカのGPS衛星えいせいだけでは誤差ごさおおきいことから、たか精度せいど実現じつげんするためには、工事こうじ現場げんば周辺しゅうへん電波でんぱ発信機はっしんきもうけて、位置いち情報じょうほう補正ほせいするための特別とくべつ信号しんごうおく必要ひつようがあり、そのぶん、コストがかかります。

また、工事こうじ現場げんばがビルがなら都市部としぶ山間部さんかんぶ谷間たにま地区ちくなどにある場合ばあいは、建物たてものやまなどにさえぎられてGPS衛星えいせいからの電波でんぱとどきにくいという課題かだいもあります。それが、「みちびき」が実用化じつようかすれば、こうした課題かだい一気いっき解決かいけつするといいます。

1つは、全国ぜんこくどこでも補正ほせい信号しんごうられるようになるため、補正ほせい信号しんごうおくるための設備せつび不要ふようになります。また、つねに1以上いじょうが、日本にっぽん頭上ずじょう付近ふきん飛行ひこうするようになるため、電波でんぱとどきやすくなるということです。

GPS衛星えいせい利用りようした建設けんせつ機械きかい販売はんばいしている日本にっぽんキャタピラーの本郷ほんごうつよし執行しっこう役員やくいんは、「2020ねん東京とうきょうオリンピックにかって東京とうきょう周辺しゅうへん工事こうじ佳境かきょうむかえている。『みちびき』によって施工しこうのスピードアップや建設けんせつ機械きかい高性能こうせいのう実現じつげんできるようになる」とはなしています。

こうした操作そうさ一部いちぶ自動化じどうかする建設けんせつ機械きかいは、建設けんせつ業界ぎょうかいかかえている人手ひとで不足ぶそく問題もんだい解決かいけつにもつながるのではないかと期待きたいされています。

人手ひとで不足ぶそく建設けんせつ業界ぎょうかい期待きたい

こうした操作そうさ一部いちぶ自動化じどうかする建設けんせつ機械きかいは、建設けんせつ業界ぎょうかいかかえている人手ひとで不足ぶそく問題もんだい解決かいけつにもつながるのではないかと期待きたいされています。

鹿児島県かごしまけん志布志市しぶしし高速道路こうそくどうろ建設けんせつ工事こうじっている建設会社けんせつがいしゃは、およそ20にん作業員さぎょういんのうち3ふんの1が60歳以上さいいじょうです。今後こんご経験けいけんゆたかな作業員さぎょういん次第しだいっていくことになりますが、一方いっぽうで、わか人材じんざい確保かくほおもうようにすすんでいません。「みちびき」が実用化じつようかされ、操作そうさ一部いちぶ支援しえんする建設けんせつ機械きかい導入どうにゅうすすめば、経験けいけんあさわかひとでもむずかしい工事こうじたずさわりやすくなるため、人材じんざい確保かくほしやすくなるのではないかと期待きたいしています。

建設会社けんせつがいしゃ高野たかのさかえひろし課長かちょうは、「機械きかい技術ぎじゅつをカバーしてくれれば、わかひと即戦力そくせんりょくになれる。人手ひとで不足ぶそく解消かいしょうにつながるのではないかと期待きたいしている」とはなしています。

災害時さいがいじ活用かつよう

「みちびき」は、災害時さいがいじ情報じょうほう共有きょうゆうにも活用かつよう期待きたいされています。津波つなみ噴火ふんか気象きしょうかんする警報けいほうなどが発表はっぴょうされた場合ばあい、スマートフォンなどの位置いち情報じょうほうをもとに該当がいとうする地域ちいきひとけてみちびきから情報じょうほうおくるシステムの実証じっしょう実験じっけんすすめられています。内閣府ないかくふは、大規模だいきぼ災害さいがい停電ていでんき、地上ちじょう通信網つうしんもう途絶とだえた場合ばあいでも衛星えいせいからの電波でんぱにのせて情報じょうほうおくれるようにする計画けいかくです。

また、それぞれの避難所ひなんじょでどのような支援しえん必要ひつようか、迅速じんそく情報じょうほうあつめるシステムづくりもすすめられています。避難ひなんしているひと名前なまえ年齢ねんれい、けがの有無うむなどの情報じょうほう避難所ひなんじょ設置せっちした専用せんよう端末たんまつつうじて「みちびき」におくり、自治体じちたい災害さいがい対策たいさく本部ほんぶなどと情報じょうほう共有きょうゆうする仕組しくみです。

内閣府ないかくふ平成へいせい25年度ねんどった調査ちょうさでは、地震じしん津波つなみなどの災害さいがいによって孤立こりつする可能性かのうせいがある全国ぜんこくで1まん9000あまりの集落しゅうらくのうち、およそ半数はんすう無線むせん衛星えいせい携帯けいたい電話でんわなどの通信つうしん手段しゅだんがないとこたえていて、内閣府ないかくふ災害時さいがいじ通信つうしん手段しゅだんの1つとしても、みちびきの活用かつようすすめたいとしています。