HIV感染かんせん気付きづいてないひと 推計すいけい5800にん

2017年03月30日 04時03分

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HIV=ヒト免疫めんえき不全ふぜんウイルスに感染かんせんしながら、気付きづいていないひとが、去年末きょねんまつ時点じてんでおよそ5800にんのぼるというはじめての推計すいけいを、厚生労働省こうせいろうどうしょう研究班けんきゅうはんがまとめました。厚生労働省こうせいろうどうしょうは、感染かんせん拡大かくだいすすむおそれがあるとして、検査けんさ体制たいせい強化きょうかする方針ほうしんです。

厚生労働省こうせいろうどうしょうによりますと、保健所ほけんじょ医療いりょう機関きかんなどでHIVの感染かんせん確認かくにんされた日本人にほんじんは、去年きょねんまでにおよそ2まん2971にんのぼっています。

これにたい研究班けんきゅうはんは、感染かんせんひろがりかた過去かこのデータなどをくわしく分析ぶんせきして、実際じっさい感染かんせんしている日本人にほんじんは、去年末きょねんまつ時点じてんでおよそ2まん8300にんのぼるというはじめての推計すいけいをまとめました。

このうち、5にんに1にんたるおよそ5800にんは、検査けんさけていないために、感染かんせん気付きづいていないとられるということです。

研究けんきゅう代表者だいひょうしゃで、北海道大学ほっかいどうだいがく大学院だいがくいん医学いがく研究科けんきゅうか西浦にしうらひろし教授きょうじゅは、「感染かんせん気付きづいていないひとは、予防よぼうをせずに性行為せいこういなどをしてしまうため、他人たにん感染かんせんさせてしまうリスクがたかい。早急さっきゅう対策たいさくをとらないと、感染かんせん拡大かくだいすすむおそれがある」と指摘してきしています。

厚生労働省こうせいろうどうしょうは、検査けんさ体制たいせい強化きょうかするとともに、感染かんせん心当こころあたりがある場合ばあい定期的ていきてき検査けんさけるようびかけています。

症状しょうじょうはじめて感染かんせんがわかる

HIVは、性行為せいこういによって感染かんせんするケースがほとんどです。
厚生労働省こうせいろうどうしょうによりますと、去年末きょねんまつまでのおよそ1年間ねんかん感染かんせん確認かくにんされたひとのうち、同性間どうせいかん性行為せいこういによる感染かんせんが67%をめた一方いっぽう異性間いせいかん性行為せいこういによる感染かんせんも20%にのぼりました。

HIVに感染かんせんしてからエイズ=後天性こうてんせい免疫めんえき不全ふぜん症候群しょうこうぐん発症はっしょうするまでは数年すうねんから10ねんほどの潜伏せんぷく期間きかんがあり、自覚症状じかくしょうじょうがほとんどないため、そのあいだ感染かんせんひろがるおそれがあると指摘してきされています。

年前ねんまえにエイズを発症はっしょうして、はじめて感染かんせんがわかった東海地方とうかいちほう男性だんせいは、「不特定ふとくてい多数たすう性行為せいこういをするようなことはなかったが、仕事しごといそがしく、定期的ていきてきには検査けんさっていなかった。そのなにをしても疲労感ひろうかんかんじるようになり、次第しだいっているのもせいいっぱいになった。治療ちりょうおくれたらんでいたかもしれないし、感染かんせん気付きづかないあいだにほかのひと感染かんせんさせてしまったかもしれないとかんがえると、ショックだ」とはなしています。

感染かんせん治療ちりょう現状げんじょう

エイズ治療ちりょう拠点きょてんとなっている、東京とうきょう国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンター病院びょういん照屋てるや勝治かつじ医師いしによりますと、エイズを発症はっしょうすると、おも肺炎はいえんなどになり、治療ちりょうおくれると死亡しぼうすることもある一方いっぽう発症前はっしょうまえであれば、ウイルスの増殖ぞうしょくおさえるくすり毎日まいにち服用ふくようすることで、ほとんどの患者かんじゃ健康けんこうひとわらない生活せいかつおくることができます。
照屋てるや医師いしは「HIVは、同性愛者どうせいあいしゃかぎらず、性行為せいこういつうじてだれにでも感染かんせんするおそれがあるうえ、最近さいきん感染かんせんのリスクをたかめる梅毒ばいどく流行りゅうこうしているため、これまでよりも感染かんせんひろがるおそれもある。避妊具ひにんぐ使つかわずに不特定ふとくてい多数たすう性行為せいこういをした経験けいけんがあるひとなど、すこしでも心当こころあたりがあれば、定期的ていきてき検査けんさけてほしい」と指摘してきしています。

HIV検査けんさ現状げんじょう

保健所ほけんじょなどでの検査けんさ減少げんしょう傾向けいこうつづき、去年きょねんは11まん7800けんと、ピークだった10ねんまえより6まんけんほどっています。
検査けんさ普及ふきゅうしない背景はいけいには、対面たいめんでの検査けんさ心理的しんりてき抵抗ていこうかんじるひとおおいことにくわえ、検査けんさできる時間じかんかぎられるため、利用りようしにくいという指摘してきもあります。

こうしたなか検査けんさキットを購入こうにゅうし、検体けんたい民間みんかん検査けんさ機関きかんおくる「郵送ゆうそう検査けんさ」の利用りようひろがり、厚生労働省こうせいろうどうしょう研究班けんきゅうはんによりますと、おととし1年間ねんかん検査けんさ件数けんすうはおよそ8まん6000けんのぼっています。
しかし、利用者りようしゃ自分じぶん採血さいけつすることなどから、保健所ほけんじょなどでの検査けんさくらべると精度せいどたかいとはえないうえ、陽性ようせい診断しんだんされた患者かんじゃ確実かくじつ医療いりょう機関きかんにつなげる仕組しくみがないことが課題かだいとなっており、厚生労働省こうせいろうどうしょう今後こんご民間みんかん検査けんさ機関きかんけの指針ししんつくるなどして、検査けんさ体制たいせい整備せいびすすめることにしています。